2006年 03月 10日
常任理事国の分担金下限を五%に
日本、国連分担金の下限設定「3%か5%」を提案
外務省は10日、国連分担金について安全保障理事会常任理事国には分担率で最低3%または5%の下限設定を求める改革案を国連総会第5委員会(行政・予算)に提案したと発表した。 常任理事国5カ国のうち分担率が現在2.1%の中国、1.1%のロシアに増額を迫った形。同時に、米国に次いで2番目に多い負担をしている日本として「地位と責任に応じた分担率」を求めることで、悲願の安保理常任理事国入りへ向けて事態打開を図る狙いだ。 ただ中露両国の反発は必至で、日本が後押しを期待する米国も国連事務局改革を優先する立場から、安保理拡大には「米政府が支持した案は1つもない」(ボルトン国連大使)と消極的で、日本の思惑通り進むかは見通せないのが現状だ。 現行方式では全加盟国に一律0.001%の下限を設けている。これに対し日本提案は、常任理事国への新たな下限設定により中ロ両国などの負担が増加する分、劣悪な財政事情の発展途上国に対する分担金が割引される効果もある。 今回の分担金交渉は2007―09年の国連通常予算が対象で年末の国連総会で決定する。 現在分担率19.5%の日本は、下限設定により中国、ロシアの分担率が3%となった場合、15.7%に低減。両国が5%になった場合には14.8%に引き下げになる。 このほか日本提案は、分担率について3年間固定の現行方式から、1年ごとに変動する年次再計算方式への転換も求めている。 ◇ 政府が、国連安全保障理事会常任理事国の分担金について負担率の下限を3%または5%とする改革案を提案した背景には、米国に次いで2番目に多い分担金を拠出する日本として「地位と責任に応じた分担率」(外務省筋)を求めることで、悲願の常任理事国入りに向け事態打開を図る狙いがある。 ただ現在分担率が3%に満たず、負担増を迫られた形のロシア、中国の反発は必至。日本が連携を期待する米国は国連事務局改革を優先する立場から、安保理拡大には「米政府が支持した案は1つもない」(ボルトン国連大使)と消極姿勢を崩しておらず、日本の思惑通り進むかは見通せないのが現状だ。 現在分担率22%の米国以外の常任理事国では英国の6.1%が最高で、日本の19.5%は常任理事国以外では突出して高い。政府は「1、2%の国が常任理事国として拒否権を持っているのに、20%の国が持っていないのはおかしい」(政府筋)として、安保理拡大を求めていく立場だ。 小泉純一郎首相は10日夕、記者団に対し「常任理事国と言うからには、権限もあるのだから、責任を負ってもらうという意味で一定の負担は必要だ」と強調した。 日本提案は、中ロ両国などの負担が増加する分、劣悪な財政事情の発展途上国は分担金が割り引きされる効果もある。政府は「フェアに考えれば各国から理解されるはずだ」(外務省筋)と分析している。 03/10 19:38
by unkotamezou
| 2006-03-10 19:38
| 政治 行政 立法
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