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高性能ソナー開発 防衛庁方針 日本近海で活発化 支那原潜出没に新兵器
高性能ソナー開発 防衛庁方針 日本近海で活発化 中国原潜出没に新兵器

 東シナ海の日中中間線付近や尖閣諸島周辺海域での中国軍潜水艦の活動が活発化するなか、水深の浅い同海域での潜水艦作戦能力向上のために、防衛庁が高性能の次世代潜水艦用ソナーの研究開発に着手することが二十五日、分かった。従来のソナーより探知能力の向上や省電力化、軽量化を図ることで、さらに音が静かになることが見込まれる中国潜水艦に対する優位性維持を狙う。平成十八年度から研究に入り、二十一年度の完成を目指す。

 防衛庁幹部によると、東シナ海の水深二百メートルまでの浅い海域での中国潜水艦の活動は活発傾向を示しているという。

 東シナ海では昨年十一月、中国海軍の漢(ハン)級原子力潜水艦が日本の領海を潜航したまま侵犯。海上自衛隊の航空機やヘリによる追尾を受けながら潜航して逃走を続ける事件が起こっている。

 防衛庁では、海上自衛隊が十年から就航させている潜水艦「おやしお」型に、艦の側面にもソナーを装備するなどして索敵能力向上を図ってきたが、「浅い海域での目標の探知、追尾、攻撃を効果的、効率的に実施するためにはあらゆる面での対潜戦技術の向上が不可欠」として、ソナーの研究に着手することにした。

 研究は防衛庁技術研究本部が平成十八年度概算要求に盛り込んでいる。主なポイントは、従来の潜水艦に装備されていた円筒形の艦首ソナーをU字形に改良し、能力向上と省電力化を図るほか、側面ソナーも大型化し、「艦全体をソナー化させる」(防衛庁幹部)。これにより、音源探査の死角が解消されることが期待できるという。

 また、浅い海域では音の乱反射によってソナーの索敵能力に影響を与えるという。防衛庁は米軍と共同で浅い海域での音響データベースをつくっており、必要に応じてこのデータをソナー開発に応用していくとしている。ソナーの総開発費は約三十九億円を予定している。

 このほか、防衛庁は浅い海域での攻撃能力向上のために、約百五十五億円をかけて「新対潜用短魚雷」の試作も実施している。現有の97式魚雷は、浅い海域ではソナーによる目標探知が難しかった。十九年度からの技術試験を経て二十一年度の開発完了を目指している。

 実用試験後は、海自の水上艦や航空機への装備をめざし、東シナ海などの浅海域で行動する中国海軍の潜水艦への有効対処に役立てたいとしている。



ソナー

 相手の音を受けるパッシブソナーと、音を発生して反射によって相手の位置を探知するアクティブソナーの2種類がある。潜水艦では敵に位置を発見されないために、主にパッシブソナーを使用する。通常は自艦のスクリュー音などの影響を受けないように艦首に装備されている。
by unkotamezou | 2005-11-26 05:00 | 國防 軍事