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皇位継承、長子優先「女系」を容認 有識者会議が報告書提出
皇位継承、長子優先「女系」を容認 有識者会議が報告書提出

皇室の伝統、大きく転換

 小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大総長)は二十四日、象徴天皇制度の安定的な維持のため、皇位継承資格を女性や女系の皇族に拡大することなどを求める報告書をまとめ、首相に提出した。政府はこれを受け、来年の通常国会に皇室典範改正案を提出する方針。国会審議や国民世論が報告書を追認すれば、百二十五代の現天皇陛下まで一度の例外もなく、父方の系統に天皇をもつ男系によって皇位が継承されてきた皇室の伝統は、途切れることになる。

 報告書に沿って皇室典範が改正された場合、現在は皇位継承資格をもたない皇太子ご夫妻の長女、愛子さまの皇位継承順位は、皇太子さまに次ぐ二位となる。愛子さまが皇位を継承し、その子供が即位すれば、皇統は歴史上、初めて女系に移る。

 報告書は、皇位継承制度について(1)国民の理解と支持を得られるもの(2)伝統を踏まえたもの(3)制度として安定したもの-の三点を考慮すべきだと指摘。現行の皇室典範一条が「皇位は男系の男子が継承する」と規定していることに対し、「(男系男子で)皇位が安定的に継承されていくことは極めて困難」だとした。

 そのうえで、憲法が定める皇位の世襲の原則は「男子や男系であることまで求めるものではない」と主張。「重要な意味を持つのは、男女の別や男系・女系の別ではなく、むしろ、皇族として生まれたこと」だとして、女性・女系天皇を容認することの意義を強調している。

 また、皇室研究者や与党内から女系天皇の歴史的な正統性に疑問の声が出ている点に関しては、各種世論調査で約八割が女性天皇を容認していることなどを背景に「幅広い国民の積極的な支持が得られる制度である限り、正統性が揺らぐことはない」と結論づけた。

 皇位継承順位については、男女を問わず年齢順に皇位継承順位を設定する長子(第一子)優先が適当だと判断。皇族の子孫はすべて皇族とする現在の「永世皇族制」は維持したうえで「(皇族の数が増えすぎるなど)その時々の状況に応じて弾力的に皇籍離脱制度を運用する」とした。



【報告書の骨子】

一、女性、女系天皇を容認

一、継承順位は第一子優先

一、皇族の子孫はすべて皇族とする永世皇族制を維持

一、女性天皇、女性皇族の配偶者も皇族とする

一、女性天皇の配偶者の敬称は「陛下」などとする

一、天皇の姉妹や娘、孫にあたる内親王は、自らの意思による皇籍離脱はできない



■女性天皇と女系天皇

 女性天皇は文字通り女性の天皇で、これまで109代明正天皇、117代後桜町天皇など10代8人がいた。女系天皇は、父方ではなく母方の系統に天皇をもつ天皇で、歴史上存在しない。皇室典範が改正されて皇太子ご夫妻の長女、愛子さまが皇位を継承し、その子供が即位すれば、史上初の女系天皇となる。女性・女系天皇を認めてはどうかとの論議は、明治憲法と旧皇室典範の策定作業時や戦後にもあったが、「男系ということを尊重する根本の原理」(昭和21年の金森徳次郎憲法担当国務相の答弁)などから退けられた。
by unkotamezou | 2005-11-25 05:00 | 皇室