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扶桑社教科書、中学へ配布「異なる見方」指導資料に
扶桑社教科書、中学へ配布 「異なる見方」指導資料に

≪福井県と浜松市≫

 福井県教委が来年度、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の中学歴史教科書をすべての市町村立中に配布することが十二日分かった。同県内では扶桑社の教科書は採択されなかったが、生徒に異なる見方を提示するため教員の指導資料として配布を決めた。静岡県浜松市教委も扶桑社を含むすべての採択外教科書を全市立中に配布する。(教科書問題取材班)

 福井県内では今年度、五つの教科書採択地区のうち四地区で東京書籍、一地区で帝国書院の歴史教科書が選ばれたが、扶桑社の採択を強く主張する教育委員も多かった。

 県教委は、採択された教科書とされなかった教科書の記述を比較して生徒に幅広い視野で考えさせるため、平成十八年度予算案に指導資料購入費として八十万円を計上する方針だ。

 七十九校ある市町村立中に十冊余りずつ行き渡る計算で、教員が授業に臨む前の教材研究として使うほか、授業で(1)教員が読み上げる(2)生徒に回覧させる(3)スライドなどで映写する(4)プリントにして配る-などの方法で使用される。

 扶桑社教科書を教員に配布する方針は、西藤正治教育長が十一日に県議会総務教育委員会の委員に説明。与党会派が了承したため予算化は確実な情勢だ。

 同委員会の笹岡一彦委員長は「教育長から扶桑社教科書を教員用に配る方針を提示された。正しい歴史観で書かれた教科書を採択するよう求めてきた県議会の審議の趣旨を受け止めてくれたことに敬意を表したい」と話している。

 県教委義務教育課は「詳しいことは決まっていないが、教員が採択外の教科書で教材研究を行うことは意義があり、市町村教委に理解を求めていきたい」としている。

 一方、静岡県浜松市教委は、歴史だけではなく中学校のすべての科目について、採択されなかった全社の教科書を教員用として全市立中に配布する。

 市教委指導課は「採択された教科書が主教材であることに変わりはないが、採択外教科書についても教員の工夫でいろいろな使い方ができる」と説明している。

10/13 09:20
by unkotamezou | 2005-10-13 09:20 | 教育 學問 書籍