ブログトップ
捨てられ野生化 外来ガメ猛威

 東京都内の公園の池で飼い主に捨てられ、野生化した「野良ガメ」の駆除が続いている。

 その多くは、ミドリガメの通称で知られる外来種のミシシッピアカミミガメ。子ガメの時にペットとして飼われたものの、大きく成長して飼い主の手に余り、捨てられたらしい。繁殖力の強い外来種が、昔から池にすむ在来種のカメを脅かしているが、捨てられるカメは後を絶たない。

 東京都練馬区の都立石神井公園。武蔵野の面影を残す三宝寺池では春になると、NPO法人「生態工房」(杉並区)のメンバーが特殊なワナを仕掛ける。同法人は2007年頃から、都公園管理協会の委託を受けて、カメの捕獲・駆除に乗り出した。06年頃から、ミシシッピアカミミガメのほか、人間にかみつく恐れもあるカミツキガメなど、外来種が目立ち始めたことが契機という。

 NPOメンバーらは、ワナにかかったカメのうち、外来種は氷点下20度の冷凍機で安楽死させて公園敷地内に埋め、在来種はマークを付けて池に戻す。この3年で捕獲したカメは計360匹。

 このうち、外来種が8割近い279匹を占め、内訳はミシシッピアカミミガメ196匹、カミツキガメ67匹などだった。昔から池にいるクサガメ、ニホンイシガメなどの在来種は81匹にとどまった。

 「ミシシッピアカミミガメの寿命は30年以上とも言われるが、成長が早いため飼い主が持て余し、今も捨てられている」と、「生態工房」事務局長の佐藤方博さん(36)は話す。同法人は公園管理者の委託で、光が丘公園(練馬区)や井の頭公園(武蔵野、三鷹市)など都内7か所で、企業の助成も受けながら調査や駆除を行っているが、外来種のカメが在来種を駆逐する構図はどこも同じという。

 佐藤さんらは捕獲した外来種のカメを冷凍機に入れる前に、池のそばでタライなどに入れて来園者に見せ、捨てないよう呼びかける。足を止める人の多くは、体長数センチで緑色の甲羅を持つ幼いミシシッピアカミミガメが、20~30センチの黒ずんだ体に成長した姿に驚く。

 環境省はカミツキガメなど97種を国内の生物多様性に悪影響を及ぼすなどとして、外来生物法で特定外来生物に指定し、輸入や飼育、遺棄などを禁止している。違反すると、懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金などが科せられる。ミシシッピアカミミガメは広く飼育されており、規制は現実的でないとして、指定が見送られている。

 都内の公園の水辺を20年以上前から観察する佐藤さんは、昭和60年代から外来種が増え始めたことに気づき、「このままでは外来種の楽園になってしまう」と危機感を抱いて、仲間と平成10年に生態工房を設立した。

 「カメ以外にも、ウシガエル、オオクチバス、ブルーギルなど、都会の公園の池で目立つのは外来種ばかり。緑に囲まれた公園でも、水面下では、本来の自然が失われつつある現実を知ってほしい」と佐藤さんは話している。

◆生物多様性

 様々な種類の生物が互いに影響を及ぼしながら、豊かな自然を形成している状態。1992年の国際会議で採択された生物多様性条約は、外来生物を地域の生態系や生物種を脅かす存在と位置付け、締約国に導入制限を求めている。今年10月には名古屋市で、同条約第10回締約国会議が国内で初開催され、多様性を守る共通目標などが話し合われる予定。

平成22年3月31日16時9分

外来「野良ガメ」猛威、ペット育って手に負えず
[PR]
by unkotamezou | 2010-03-31 16:09 | 自然 生活 社會 医療