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【産経抄】十月五日

 大相撲秋場所の千秋楽で、横綱朝青龍が見せたガッツポーズには、賛否両論がある。横綱審議委員会の内館牧子委員は、「心技体をたたき直して出ていらっしゃい」と相変わらず手厳しい。

▼小欄は、野球評論家の豊田泰光さんが、日経新聞連載のコラムで示した見解に一番共感を覚える。現役時代の豊田さんは、本塁打を打っても、派手なポーズは一切とらなかった。逆転本塁打だと、ベンチの選手と握手する腕の振りが、少し大きくなる程度だ。だが、それを今の人に押しつける気はない。

▼「私たちがせいぜい言えるのは自分なりに何が格好がよくて、何が格好悪いかという基準をもってほしい、ということだけ」という。確かに朝青龍個人の問題というより、「勝てば官軍」の風潮がますます強まる世相を体現しているといえる。おかげで、日本人としてふさわしい振る舞いを考えるきっかけを作ってくれた。

▼最近、クローズアップされている「保守とは何か」という問いにもつながっている。与党民主党が、矢継ぎ早に打ち出す「改革」を見ていると、かえって守るべきものがはっきり見えてくる。保守政党として再建の道を歩もうとしている、自民党にとってチャンスではないか。

▼党内保守派のエースだった中川昭一元財務相が、落選の挫折を乗り越え、近い将来その先頭に立ってくれるものと期待していた。それなのに、きのう突然の訃報がもたらされた。「なぜ」という思いしか浮かんでこない。

21/10/05 07:19

【産経抄】10月5日
by unkotamezou | 2009-10-05 07:19 | 政治 行政 立法