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京都葵祭、牛車の牛が足りない

 15日に行われる京都三大祭の一つ「葵祭」の行列を華やかに飾る牛車(ぎっしゃ)を引く牛の調達が困難に陥り、今年は岡山県内で初めて調達され、“ルーキー”の牛4頭が急遽訓練され、初参加することになった。昨年まで牛を提供してきた所有者が死亡し、牛車を引いた牛が人手に渡った上、牛飼育農家の激減と調教者の後継者不足が主な原因。今年は何とかしのぐことができたものの、今後を不安視する声もあり、伝統の祭りが岐路に立たされている。

 葵祭はヒロイン・斎王代をはじめ、時代衣装で約8キロを練り歩く。平安絵巻を思わせる行列には、フジなどで飾られたひときわ華やかな牛車2台が含まれ、牛は実際に引く2頭と、交代用2頭の計4頭が必要。

 牛や馬の調達にあたる明馬会会長の高岡正昭さん(70)は「1・5トンもの牛車を引く体力が求められるうえ、長距離の巡行でも暴れたりしないよう調教されていないと務まらない」と話し、牛探しに奔走。岡山県新見市の所有者の協力を得ることができた。

 一方、牛は時代祭(10月)などでも使われることから、伝統の継承を不安視する関係者も多く、高岡さんは「祭りのためだけに牛や馬を飼い、調教するのは物理的にも経済的にも難しい」と頭を悩ませる。葵祭行列保存会会長で京都橘大名誉教授の猪熊兼勝さん(71)も「牛や馬は京都の何百という数の祭りにかかわっている。伝統を守るため、対策の重要性を行政に訴えたい」と話した。

平成21年5月14日14時33分 産経新聞

京都・葵祭、牛車の牛足りない! 急遽“ルーキー”参加へ
by unkotamezou | 2009-05-14 14:33 | 歴史 傳統 文化