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天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの一年のご動静
天皇陛下のご感想

一 しばらくの間は、日程を軽くするやうにとの医師の勧めに沿つて、今回は、記者会見を取りやめることになりました。私の健康について人々が心配してくれてゐることに感謝します。最近は、体調もひところに比べて、良くなつてきてゐるやうに感じてゐます。


二 今年は、日本に上陸した台風は一つもなく、天候に恵まれ、農作物もおほむね良い収穫が得られたことは喜ばしいことでした。それでも、全国各地で局地的な大雨が発生し、また、六月には岩手宮城内陸地震が、七月には岩手県北部を震源とする地震が発生しました。これらの災害で、死者や住宅の損壊などの被害が生じたことは痛ましいことでした。岩手宮城内陸地震の被災者が、冬を迎へて仮設住宅住まひを余儀なくされてゐることを案じてゐます。

 また、河川や下水道の急激な増水によつて多くの人命が失はれたことも、痛ましいことでした。


三 今年は、北京でオリンピック競技大会とパラリンピック競技大会が開催されましたが、それぞれの大会での日本選手の活躍振りは、心に残つてをります。
 また、南部陽一郎博士、小林誠博士、益川敏英博士の三名の方がノーベル物理学賞を、下村脩博士がノーベル化学賞を受賞したことも、喜ばしいことでした。
 どちらも、多くの人々に明るい気持ちと励ましを与へたことと思ひます。
 四年前に新潟県中越地震の被災地を訪れた際には、ヘリコプターで上空から視察することしかできなかつた旧山古志村を九月に訪れましたが、復興が進み、闘牛や錦鯉の養殖などが再開されてゐることを心強く思ひました。


四 昨今、私や家族の健康のことで、国民に心配をかけてゐることを心苦しく思ひます。私も、健康に問題がないとは言へませんが、医師の注意を守り、これからも国と国民のため、また、より良き皇室の姿を求めて務めていきたいと考へてゐます。皇太子妃が病気の今、家族が皆で、支へていくのは当然のことです。私も、皇后も、将来重い立場に立つ皇太子、皇太子妃の健康を願ひつつ、二人の力になつていきたいと願つてゐます。


五 世界的な金融危機に端を発して、現在多くの国々が深刻な経済危機に直面してをり、我が国においても、経済の悪化に伴ひ多くの国民が困難な状況に置かれてゐることを案じてゐます。働きたい人々が働く機会を持ち得ないといふ事態に心が痛みます。
 これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し、また、互ひに絆を大切にして助け合ふことにより、皆で、この度の困難を乗り越えることを切に願つてゐます。



この一年のご動静

 陛下はこの一年も国事行為としてほぼ毎週二回のご執務を行はれ、内閣よりの上奏書類等千七十四件にご署名やご押印をされました。宮殿では、その外、親任式(内閣総理大臣、最高裁判所長官の二名)、認証官任命式(国務大臣始め百三十六名)、信任状捧呈式(三十七名)、勲章親授式(大綬章、文化勲章)及び勲章受章者の拝謁等多くの儀式や行事に臨まれました。また、各省事務次官、日銀総裁などのご進講も受けられました。また、皇后陛下とご一緒に各界優績者の拝謁のほか、午餐や茶会など多くの行事に臨まれました。なほ、両陛下のご成婚を記念して発足した日本青年海外派遣事業は今年で五十回を迎へ、今回九月の帰国隊員のご接見が最終回となりました。また、今年は北京にてオリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会が行はれたため、それぞれの入賞者をお茶に招かれ、健闘をたたへられました。御所では両陛下で恒例の日本学士院会員、日本芸術院会員、文部科学省研究振興局長及び同伴する研究者、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティア帰国隊員、国際交流基金賞受賞者等とお会ひになつたほか、定例の外務省総合外交政策局長によるご進講や各種行事に関するご説明等が合はせて三十回ありました。この外、勤労奉仕団、賢所奉仕団や新嘗祭のための献穀者に対し五十二回のご会釈がありました。

 今年は外国へのご訪問はありませんでしたが、外国からは、五月に中華人民共和国主席閣下及び同令夫人を、十一月にはスペイン国王王妃両陛下を国賓として迎へられ、宮中晩餐を催されました。スペイン国王王妃両陛下を国賓としてお迎へになるに当たり、一日、茨城県筑波市をご案内になり、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター及び筑波大学等をご訪問になりました。また同日、御所でのご夕餐にお招きになつていらつしやいます。スペイン国王王妃両陛下はご即位前に一回、ご即位後に今回を含め二回、公式に日本を訪問され、その都度両陛下にお会ひになつていらつしやいます。一方、両陛下はご即位前に二回(うち一回はご名代)、ご即位後に一回、公式にスペインをご訪問になつてをり、国王王妃両陛下の歓迎をお受けになりました。その外、公式実務訪問で来日した、クロアチア、ペルー、カザフスタン各国大統領及びトルコ大統領夫妻のため午餐を催され、また、韓国大統領夫妻とご会見になりました。また、五月には第四回アフリカ開発会議開催に際し、同会議に出席した各国首脳夫妻等を宮中茶会にお招きになつてをり、また、この機会に新設され、今回が第一回目となる野口英世アフリカ賞授賞式及びそれに続く記念晩餐会にもご臨席になりました。また、九月には第七回G八下院議長会議開催に際し、同会議に出席した議長等を宮中茶会にお招きになりました。

 都内及び近郊へのお出ましとしては、陛下は国会開会式に臨まれ、また、両陛下にて全国戦没者追悼式を始め、毎年ご臨席になつてゐる日本国際賞、国際生物学賞、日本芸術院賞、日本学士院賞等の授賞式のほか、今年も数多く行はれた各種周年記念式典等へのご臨席があり、そのうち十一回にてお言葉をお述べになりました。今年は五月のこどもの日にちなみ、幼児教育施設の制度として新たに発足した「認定こども園」である「いういうのもり幼保園」をご訪問になつたほか、九月の敬老の日にちなみ、高齢者が仕事に従事してゐる「三鷹市シルバー人材センター」へ、十二月の障害者週間にちなみ、障害者専用のスポーツ施設「東京都障害者総合スポーツセンター」をご訪問になり、困難な環境にあつて、社会活動に努めてゐる人々を励まされました。また、七月には産業施設のご視察として、リサイクル事業を行つてゐる東京都スーパーエコタウンの事業会社をご訪問になり、環境保護に対するご関心を示されました。都内及び近郊へのお出ましは合計四十九回ありました。

 例年ご臨席になつてゐる日本学術会議主催の国際会議としては、第五回世界水産学会議記念式典にてお言葉を述べられるとともに、その後のレセプションにご臨席になりました。

 今年の公的な地方行幸啓は八府県(群馬、神奈川、秋田、新潟、大分、奈良、京都、茨城)にわたりました。全国植樹祭(秋田)、全国豊かな海づくり大会(新潟)、国民体育大会(大分)などの式典にご臨席になり、お言葉をお述べになつたほか、地方の文化、福祉、産業の事情をご視察になりました。今年は日本ブラジル交流年・日本人ブラジル移住百周年に当たることから、その記念式典及びレセプションにご臨席になつたほか、日系ブラジル人が多数在住する群馬県の大泉町と太田市をご訪問になりました。新潟県では平成十六年の中越地震の際、現地をお見舞ひにご訪問された折、道路が分断されたためヘリコプターで上空からしかご覧になれなかつた旧山古志村を訪問され、被災した棚田の復興状況及び錦鯉の養殖や闘牛の練習が再開した様子をご覧になり心強く思はれました。また、奈良、京都への行幸啓では奈良国立博物館にて第六十回正倉院展をご覧になり、京都では源氏物語千年紀記念式典にご臨席になりました。また、その機会に、皇后陛下ご下賜の小石丸の絹糸で正倉院宝物を復元した川島織物セルコンをご訪問になりました。また、奈良では春日大社を、京都では七百年式年に当たる後二條天皇の御陵を御参拝になりました。この一年間に公的に地方行幸啓先でご訪問になつた市町村数は十三市、四町になります。

 今年は那須の御用邸には紅葉の季節の十月下旬にお出ましになりましたが、両陛下で例年どほり農家を訪問され、ご放鳥をなさいました。また、本年環境省に移管された旧那須御用邸用地を、環境省那須自然保護官等とご散策になりブナ林やそこに付けられてゐる熊の爪跡等をご覧になり、これから国立公園として整備され、人々が訪れるのを楽しみにしていらつしやいます。

 宮中祭祀は、三月二十五日に賢所皇霊殿神殿を本殿に奉遷の儀が行はれ、賢所等耐震補強改修工事の間、仮殿で行はれてゐた祭典はもとの宮中三殿に戻されました。陛下は恒例の祭典のほか、花山天皇千年式年祭、孝昭天皇二千四百年式年祭、後二條天皇七百年式年祭などこの一年に執り行はれた三十四回の祭典に列せられました。なほ、本年末の御不例にあたつてしばらくの間、御拝礼をお取りやめになり御代拝になさつてゐます。

 ご研究に関しては、以前からご関心をお持ちになつてゐたキヌバリとチャガラと云ふ二種のハゼ類のご研究をこの度まとめられ、本年十二月三十一日発行予定のオランダ学術雑誌 "GENE" でご発表になります。これは秋篠宮殿下を始め専門研究者との共著で英文論文です。

 なほ、本年六月、皇居におけるタヌキに関する論文を国立科学博物館研究報告A類(動物学)に共著でご発表になりましたが、今後もこの調査を続けていらつしやいます。

 陛下は今年も例年どほり、皇居内生物学研究所の田で種籾のお手まき、お田植ゑをなさり、お手刈りをなさいました。また、粟はお子様方、お孫様方とご一緒に種をまかれ、刈り取られ、新嘗祭の折、お手刈りになつた水稲と共にその一部をお供へになりました。また、神嘗祭に際しては、お手植えになつた根付きの稲を神宮にお供へになりました。

 陛下は一月の定期検診において、前立腺がんの再発に対するご治療としてお続けいただいてゐるホルモン療法の副作用として骨密度の低下傾向が明らかとなり、このため骨粗鬆症に至らぬやう、引き続き早朝にはご散策になり、ご公務のない週末や休日にはテニスなどのご運動に努めていらつしやいます。また、十一月半ば以降、胸部にご変調をお感じになり、不整脈によるものと診断されました。さらに十二月初めには血圧上昇を伴ふやうになり、急遽ご休養とご検査のためご日程を数日間お取りやめいただきました。検査の結果、不整脈は「上室性不整脈」であることが分かつたのに加へ、胃や十二指腸にびらんや出血斑が確認され「急性胃粘膜病変」があつたのではないかと診断されました。いづれも心因性、身体的ストレスが原因ではないかとみられてゐます。

 天皇陛下は十二月二十三日、七十五歳のお誕生日をお迎へになります。

 当日は、午前は御所で侍従職職員から祝賀をお受けになつた後、宮殿で皇族方を始めとし、五回にわたり祝賀をお受けになり、また皇族方とお祝酒をともにされます。なほ、この間三回にわたり長和殿ベランダに立たれ国民の参賀におこたへになります。午後は三権の長、閣僚、各界の代表等との宴会に臨まれ、その後、元側近奉仕者等との祝賀、次いで外交団を招かれての祝賀をお受けになります。夕刻には、皇后様、お子様方とのお祝御膳ををとりになります。

天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの一年のご動静
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by unkotamezou | 2008-12-23 00:00 | 皇室
資源大国日本の誕生

世界的に石油不足が深刻化

 現在「エネルギー市場」といえば、もっとも重要なのが原油価格の動向である。原油価格は平成二十年年初から上昇を続け、七月に史上最高値の一バレル=百四十七ドルを記録した。その後は約三分の一の五十ドル台まで下げた。

 平成二十二年の時点で原油価格はどうなっているのだろうか? 二つの動きがあり、予測は難しい。

 一つは原油価格を下げる動き。アメリカ発の危機が波及し、世界的金融危機が深刻化している。景気が悪化し、原油の需要が減少すれば、当然原油価格は下がっていく。現在の状況を見ると、平成二十二年に景気が回復しているとは思えない。

 もう一つは原油価格を上げる動き。アメリカとイスラエルは、何度もイラン攻撃の可能性に言及している。実際に戦争が起こり、イランが原油輸送ルートの要所ホルムズ海峡を封鎖すれば、原油は二百ドル以上になるかもしれない。事実平成二十年一月には一触即発の事態も起こっている。

〈ホルムズ海峡でイラン高速艇が米軍艦船を威嚇=米国防総省――平成二十年一月八日七時二十八分配信

[ワシントン 七日 ロイター] 米国防総省は七日、ペルシャ湾のホルムズ海峡で現地時間五日夜から六日未明にかけイラン革命防衛隊の艦船五隻が、米海軍艦船三隻に至近距離まで接近し、威嚇行為を行ったことを明らかにした〉

 結局、「原油価格の動向を短期で予測するのは難しい」という結論になる。

 しかし、日本の行くべき道を知るためには、もう少し長いスパンで未来を考えてみればいい。

 数年先を知るのは困難だが、長期で未来を予測するのは、逆に簡単である。長期的に見ると、世界的エネルギー危機が起こる可能性が高い。

 第一の理由は、世界の人口が年八千万人ずつ増えていること。つまりエネルギー需要は一年間に八千万人分ずつ増えていくのだ。米商務省の予測によると、世界人口は平成二十五年に七十億人、三十九年に八十億人、五十七年に九十億人を突破する。

 第二の理由は、世界経済の拡大により、エネルギー需要が増加していくこと。米エネルギー省によると、一日当たりの世界石油消費量は、平成十二年の約七千七百万バレルから、十七年には八千五百万バレル、二十二年九千四百万バレル、二十七年一億二百万バレル、三十二年一億一千万バレルと増加しつづけていく。石油消費量がとくに急増していく見通しなのが、支那と印度。

 第三の理由は、新エネルギーの普及が進まないこと。「石油の話ばかりするが、新エネルギーが普及していくのではないか?」と疑問を抱かれる人もいるだろう。しかし、現時点での見通しは暗い。

 平成十二年の時点で、石油は世界のエネルギー消費の三十九%を占めていた。二位は石炭で二十四%、三位は天然ガス(二十二%)、四位原子力(六%)。

 平成三十二年になるとどうなるのだろうか?

 三十七%が石油。二十年間で二%しか減らない。減るといっても、エネルギー消費全体内の割合が減るだけで、量は前記のように増加しつづけていく。

 二位は天然ガス(二十九%)、三位石炭で二十二%。残り十二%のなかに原子力、水力、風力、太陽エネルギー、燃料電池などが含まれる。

 新エネルギーと期待される、風力・太陽エネルギー・燃料電池を全部合わせても、平成三十二年の段階で全エネルギー消費の五~六%にしかならない。

 第四の理由は、石油が枯渇する日が近づいていること。世界を牛耳るイギリス・アメリカの油田がすでに枯渇しつつあるのは、よく知られた事実である。そればかりか、遅くても平成五十二年ごろには世界的に石油不足が深刻化していくと予想される。

 以上四つから、長期的に石油価格は上昇しつづけていくとの結論に行き着く。

 もう一つ重要なのは、石油の供給が減少していく過程で、石油獲得戦争が起こる可能性がある。

 そういえば、フセインのイラクには「大量破壊兵器」も「アルカイダとのつながり」もなかった。では、アメリカがイラクを攻撃した真の理由は何なのか?

 あのグリーンスパン氏は、「イラク開戦の動機は石油」と断言している。

〈「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露――十七年九月十七日午後三時零分配信

[ワシントン 十七日 時事]十八年間にわたって世界経済のかじ取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会議長(八十一)が十七日刊行の回顧録で、平成十五年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている〉

 事実、アメリカはイラク占領後、先に進出していた支那・ロシア・フランス企業を追い出し、石油利権を独占した。この三国が国連安保理で、イラク戦争に最後まで反対したのも偶然ではないのだ。今後、この手の紛争は増えていくだろう。

 まとめると、(一)石油の需要は長期的に増加していく、(二)石油は枯渇する方向で、長期的に供給は減少していく、(三)石油をめぐる紛争は増加していく、(四)エネルギー危機が起こる可能性は高い、となる。

エネルギー自給率百%へ

 日本の進路を語るとき、排除されなければならないのは、「石油争奪戦」に参戦することである。米支ロは現在、熾烈な資源獲得競争を繰り広げている。いずれも、自国の利益のためなら何でもありのワイルドな大国である。日本は第二次大戦時、この三大国を敵に回して敗れた。同じ過ちを繰り返してはならない。

 では、日本はどうすればいいのか?

 エネルギー自給率百%をめざすべきなのだ。

「不可能だ!」

 そんな声が聞こえてくる。しかし、これは可能なのである。

 メタンハイドレートという新エネルギーがある。簡単にいうと、「凍結状態のメタンガス」。メタンハイドレートは、メタンを中心に周囲を水分子が囲んだかたちになっている物質で、ほとんどは海底にある。

 見た目は氷と同じ。しかし、火を付けると燃えるので、「燃える氷」と呼ばれている。一立方メートルのメタンハイドレートを解凍すると百六十四立方メートルのメタンガスになる。

 石油、石炭と比較すると、燃焼時の二酸化炭素は半分ほど。温暖化対策にも有効な新エネルギーなのだ。

 米地質調査所とエネルギー省のデータによると、世界のメタンハイドレートは、陸域で数十兆立方メートル、海域で数千兆立方メートル。これは、世界天然ガス確認埋蔵量(百四十五兆立方メートル)の数十倍。天然ガス、原油、石炭の総埋蔵量の二倍以上といわれている。まさに世界を救う新エネルギーといえる。

 ここからが重要。メタンハイドレートは日本周辺にたっぷりあることがわかっている。

 米エネルギー省によると、南海トラフ(東海地方沖から宮崎県沖)北側に四千二百億~四兆二千億立方メートル。地質調査所の調査では、南海トラフ、北海道周辺海域に、六兆立方メートルが存在する。これは、日本の天然ガス使用量の百年分に匹敵する。

 日本近海は、なんと世界最大のメタンハイドレート量を誇っている。そのため、日本は石油枯渇後、世界最大のエネルギー資源大国になる可能性がある。

 実際、政府、東京ガス、三井造船、三菱重工、日立製作所、新日本石油などが、すでに研究開発に取り組んでいる。

 最近では、こんな情報もある。

〈燃える氷をすくい取れ 「メタンハイドレート」試験採掘へ――産経ニュース平成二十年八月十九日零時三十六分

 経済産業省は資源価格の高騰を受け、天然ガスの代替エネルギーとして期待される「メタンハイドレート」の日本近海の海底での産出試験に平成二十一年度から着手する。同省によると日本近海には国内の天然ガス消費量の百年分に相当する大量のメタンハイドレートが存在するとしており、成功すれば日本のエネルギー政策に大きな影響を与えそうだ。十九日に開催する同省「メタンハイドレート開発実施検討会」で試験計画の内容を説明し、了承を得たい考えだ。計画では三十年度までの商業生産を目指す〉

 エネルギー革命を起こす可能性があるのは、メタンハイドレートだけではない。たとえば、二酸化炭素削減効果があるバイオエタノール。これまでは、主にトウモロコシやサトウキビを原料に生産されているため、穀物価格を暴騰させる原因になっている。

 しかし、ゴミからバイオエタノールをつくれば、インフレは起きない。

 静岡油化工業株式会社は、「おから」を使ったバイオエタノールを開発した。「おから」とはご存じのように、豆腐の生産過程でできるカス。食べることもできるが、年間七十二万トンが捨てられている。同社の長嶋社長は、「百%おからエタノール」で自動車を走らせる実験に成功。排気ガスはまったく無臭だった。

 同社長は今後、じゃがいもの皮・うどんやパンの残飯など、ゴミからバイオエタノールをつくる研究を続けていくと意気込んでいる。ちなみに、「おからエタノール」は静岡県庁で使用されることが決まった。

 もう一つ、「バイオ水素」という面白い技術もある。

 自動車メーカーは現在、水素を燃料とする「燃料電池自動車」の開発に取り組んでいる。燃料電池自動車は、水だけを排出するので「究極のエコカー」と呼ばれるが、問題もある。それは、水素をつくる過程で、石油やガスを使うこと。結局「化石燃料の呪縛」からは逃れられないのか?

 玉川大学工学部の小原宏之教授は、「バクテリアがつくった水素」で車を走らせる実験に成功した。

 バクテリアのなかには、水素を発生する水素生成菌がいる。同教授は静岡県佐鳴湖から水素生成菌を採取。菌は三百リットルの水素を生成し、自動車はこれを燃料に時速四十キロのスピードで走った。

 水素生成菌は、枯渇する恐れのある石油などとは違い、無尽蔵で究極のエコエネルギーといえるだろう。

 このように、日本にはとんでもない技術が雨後のタケノコのように現れてきている。世界的金融危機と景気の悪化で世相は暗い。しかし、危機の向こうには、エネルギー大国日本の姿が見えている。

北野幸伯(国際関係アナリスト・ロシア在住)

平成二十年十二月二十日(土)午後三時三十分



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by unkotamezou | 2008-12-20 15:30 | 政治 行政 立法
日本の経験伝え恐慌防げ

 ここ数カ月の各国経済の落ち込みはあたかも、全世界が大恐慌に向かって突き進んでいるようだ。

 米国はもとより、欧州も景気が大幅に悪化。中国でも不動産バブルが崩壊した。日本でも11月の新車販売台数が前年同月比27%も落ちたように景気が後退している。

 日本は国内にそれほど大きな問題を抱えてはいないが、外需に偏り過ぎたため、輸出先の米国や中国、欧州の落ち込みのあおりを受けている。小泉純一郎内閣のころから内需拡大をなおざりにしていたツケが表面化した形だ。

 過去を振り返ると、同じことが全世界で起きたのは大恐慌が始まった1929年ごろまでさかのぼらなければならないだろう。

 世界経済の急激な落ち込みを引き起こしたのは、いくつかの国で起きた住宅バブルの同時崩壊だ。

 住宅バブルが崩壊すると、逆資産効果だけでなく、住宅を借金で買った人たちや彼らに金を貸した銀行のバランスシートが壊れてしまう。借金は残っているのに、それに見合う資産がなくなっているからだ。

 そうなると民間は一斉に利益の最大化から債務の最小化、つまり、貯蓄を増やし、借金を減らす方向に動く。これは個々のレベルでは正しい対応だが、みんなが同時に同じことをすると、民間の貯蓄と借金返済分を借りて使う人がいなくなり、それがデフレギャップとなって総需要が減少する。昭和4年に始まった大恐慌では、この減少に歯止めをかけられず、米国の国内総生産が4年間で46%も消滅する事態に陥った。

 今の世界はまさに大恐慌の入り口にさしかかり、市場も企業も、消費者も真っ青になっている。

 ところがここに一縷の希望がある。日本がこの問題に対して答えを出したからだ。

 平成初年代の日本は、バブルのピークから商業用不動産の価格が87%も下がった。株や土地の下落によって1500兆円もの国民の富が失われた。企業は平成7年ごろから多い時で年間30兆円の巨額の借金返済に動いていた。

 それでも日本のGDPは18年間、一度もバブルのピークを下回ることはなく、失業率も5%台で好転した。これは大変な成果である。

 では、なぜ日本は恐慌を防ぐことができたのか。

 政府が民間の貯蓄と借金返済分を借りて使うことを十数年間やってきたからだ。財政赤字は大きくなったが、その結果、国民所得(=国内総生産)は維持され、民間はその所得で借金返済を続け、平成17年ごろからバランスシートはきれいになった。日本はどんなに資産価格が下がっても、正しい財政政策で国民所得を維持できることを人類史上初めて証明したのである。

 ところが、ここ十数年の日本の財政政策を評価しない人たちが内外を問わず大勢いる。彼らは「あんなに公共事業をやっても日本の経済は成長しなかった」とたたいている。しかし、この種の批判には実は暗黙の前提がある。



 「政府が財政政策をとらなくても経済はゼロ成長だった」という前提だ。「何もやらなくてもゼロ成長なのに、あれだけの公共事業をやっても成長しなかった。だから無駄なモノに金を使った」と批判する。だが、当時の日本は民間のデフレギャップ(貯蓄+借金返済)が国内総生産比で10%近くあり、数年で国内総生産が半分消えても不思議ではない状態だった。目前の大恐慌を防げたのは果断な財政政策をとったからなのだ。

 昭和初めの大恐慌で米国が失った富は国内総生産の1年分といわれる。バブル崩壊後の日本では、株と土地だけで国内総生産の3倍もの富が吹き飛んだ。われわれが受けたダメージがいかに大きかったかがわかる。にもかかわらず日本は国民所得を維持することができた。この教訓を世界が学び、日本の成果を世界が理解すれば、危機に苦しむ各国国民の気持ちがどのくらい楽になるだろうか。

 くしくも現在の日本の総理大臣、麻生太郎氏は日本経済が抱える問題の本質を当初から完全に理解していた数少ない政治家であった。

 麻生首相は、もともと経営者なので、バランスシートの問題を理解している。借金返済の苦しさもその恐ろしさも理解している。また、民間が債務の最小化に向かっているときは中央銀行の金融緩和が効かなくなることも分かっている。だからこそ、麻生首相は財政出動の必要性を訴えているのだ。

 しかも外需が激減した今の日本は、少なくとも真水10兆円の政府支出の拡大が必要だ。減税をしても借金返済や貯蓄に回って景気対策にならないからだ。

 11月に行われた主要国と新興国20カ国による緊急首脳会合(金融サミット)でも麻生首相は日本の経験を訴え、財政出動に反対だった米国のスタンスを変えた。首脳声明にも財政出動の必要性を明記した。麻生首相は極めて重要な日本の成功例を必死で海外に伝えているのである。

 海外もようやく日本の成果に気付き始め、日本から学ぼうとしている。以前はあれだけ日本の公共事業と銀行への資本投入をたたいていた欧米諸国が、今やすべてこれらの政策を採用している。中国も57兆円もの景気刺激策を決めた。われわれはずっと正しいことをやってきたのだ。

 麻生首相は国内で、失言したとか、字を読み間違えたとか、想像もできない低次元の問題でたたかれているが、海外では中国の胡錦濤主席も米国のブッシュ大統領も必死に麻生首相の話を聞いて参考にしようとしている。日本の総理の話がこれだけ世界で注目されたことが過去にあっただろうか。

 日本にも優秀な政治家は多数いるが、海外に日本の経験を自身の言葉で、そして英語で話せる政治家はそう多くない。麻生首相は日本が世界を正しい方向へ導くためには不可欠な人物なのだ。

 字を読み間違えたくらいで、政権をつぶしてしまえという今のマスコミ世論は正気の沙汰ではない。

20.12.16 02:54

【聖杯は何処に】日本の経験伝え恐慌防げ 野村総研チーフエコノミスト リチャード・クー
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by unkotamezou | 2008-12-16 02:54 | 産業 經濟
支那船領海侵犯 極めて深刻な主権侵害だ

 支那の海洋調査船2隻が8日、尖閣諸島沖の日本領海を9時間半にわたり侵犯し続けるという由々しき事態が起きた。

 海上保安庁の巡視船が無線などで支那語による警告と退去要求をしたのに対し、支那船は「自国領海内をパトロールしている」などと無視した。さらに魚釣島沖で1時間ほど停泊したほか、同島の周囲を時計回りに航行した。これらは国連海洋法で定められた領海での無害通航に違反した意図的な主権侵害行為である。

 これを放置しておいたら、さらにエスカレートした形で領海侵犯が繰り返され、日本の固有の領土である尖閣諸島が危うくなりかねない。きわめて深刻な事態に直面しているという認識を日本政府は持たねばならない。領土、領海を守る国家意思が問われている。

 支那の行動の意図は不明だが、平成4年の尖閣諸島を自国領土とした領海法を既成事実化しようとしているとも受け取れる。昭和43年、東シナ海は有望な産油地域とする国連報告書が発表されて以降、支那は石油探査、試掘、ガス田開発などを続けてきた。

 今年5月、日支両政府は共同声明で「共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする」とうたい、翌月、ガス油田開発の合意をまとめた。だが、この合意も詰めの交渉に入れずにいる。

 “微笑外交”の傍ら、支那の戦闘艦など4隻が10月に津軽海峡を初めて通過した。11月には最新鋭のミサイル駆逐艦を含む4隻が沖縄本島沖を通り、太平洋での作戦遂行能力を誇示している。

 領海侵犯が一連の示威行動と関連している可能性も視野に入れ、日本政府は支那がさらにエスカレートしないように万全の備えを取らねばならない。

 現行法では巡視船は、領海侵犯した外国の政府公船に対し退去要求しかできない。今回、支那国家海洋局所属の2隻の調査船は夕刻に引き揚げたが、さらに居座った場合どうするのか。海上自衛隊に海上警備行動を発令して、領海から排除することなども考えておくべきだ。こうした備えを取ることなく、ただ傍観していれば、つけこまれるのが世の常である。

 麻生太郎首相は13日の日支韓首脳会談時に支那側に抗議するという。支那の領海法制定に対し、外務省は口頭による通り一遍の抗議で済ませたが、それを繰り返すようなことはないと信じたい。

20.12.10 02:23

【主張】支那船領海侵犯 極めて深刻な主権侵害だ
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by unkotamezou | 2008-12-10 02:23 | 國防 軍事