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カテゴリ:自然 科學 技術( 130 )
我国は世界一の探査技術を手に入れた

 宇宙航空研究開発機構によると13日午後11時前、小惑星探査機「はやぶさ」の回収カプセルが地球の大気圏に再突入した。科学技術ジャーナリストの中野不二男さんは「日本は世界でもナンバーワンの探査技術を手に入れた」とコメントした。

■中野不二男さんの話

「探査機が宇宙から戻ってくるだけで十分にすごく、さらに宇宙からサンプルを持ち帰るのに必要な技術を手にできたということは、よくぞここまでやり遂げたなという思いだ。数々の危機を乗り越えた成果は、重大な故障に見舞われながらも帰還した昭和45年のアポロ13号に匹敵する。いわば手術をしながら次々と新しい治療法を発見していったようなもので、結果的に多くを学んだ日本は世界でもナンバーワンの探査技術を手に入れた。打ち上げ前に取材した、開発に携わった町工場の職人たちの顔を思い出す。日本の強みである彼らのノウハウをしっかり継承していくためには、次の探査機の開発が不可欠だ」

平成22年6月13日23時31分

「アポロ13号に匹敵」 科学技術ジャーナリストの中野不二男さん
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by unkotamezou | 2010-06-13 23:31 | 自然 科學 技術
カプセルが帰還、大気圏に再突入 小惑星探査機はやぶさ

 宇宙航空研究開発機構によると13日午後11時前、小惑星探査機「はやぶさ」の回収カプセルが地球の大気圏に再突入した。エンジン故障や通信途絶など、数々の困難を乗り越えてきたはやぶさは、約7年間の宇宙の旅を終えて帰還した。

 回収カプセルは直径約40センチで、小惑星「イトカワ」の土壌試料が入っている可能性がある。再突入時は秒速約12キロの猛烈なスピードで、表面温度は約3千度に達するという。

 大気圏を無事に通過すれば高度約10キロでパラシュートを展開。再突入から約30分後、オーストラリア中南部ウーメラの砂漠地帯に着地する。

 現地では約60人の回収チームが待機しており、カプセルが発信する電波などを頼りに捜索にあたる。カプセル分離後の本体は大気圏で燃え尽きる。

 はやぶさは平成17年、地球から約3億キロのイトカワに着陸し、土壌の採取に挑んだ。小惑星への着陸と往復は世界初。

 土壌を採取できたかは不明だが、回収に成功すれば、地球以外の天体の地表試料の回収は、米国や旧ソ連による「月の石」以来の快挙となる。試料は太陽系の起源解明などの研究に役立つと期待されている。

平成22年6月13日23時13分

カプセルが帰還、大気圏に再突入 小惑星探査機はやぶさ
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by unkotamezou | 2010-06-13 23:13 | 自然 科學 技術
回収カプセルを分離 はやぶさ帰還へ

 宇宙航空研究開発機構は13日午後8時前、小惑星探査機「はやぶさ」が地球へ帰還するため、小惑星「イトカワ」の土壌サンプルが入っている可能性がある回収用カプセルを機体から分離したと発表した。

 分離は帰還に向けた最終作業で、同日午後7時51分に成功。カプセルは順調にいけば同日午後11時ごろ大気圏へ再突入し、オーストラリア中南部ウーメラの砂漠に着地する。

 はやぶさは飛行中の相次ぐトラブルで飛行期間が当初予定より3年間延長され、カプセルの分離装置がうまく作動するか懸念されていた。

平成22年6月13日20時23分

回収カプセルを分離 はやぶさ帰還へ
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by unkotamezou | 2010-06-13 20:23 | 自然 科學 技術
小惑星探査機「はやぶさ」 きょう七年ぶり帰還

■太陽系の原点探るデータ期待

 7年前に宇宙へ飛び立った小惑星探査機「はやぶさ」が13日、地球へ帰ってくる。原始太陽系の姿をとどめているとされる小惑星「イトカワ」へ軟着陸し、世界で初めて土壌採取と回収に挑んだ。

 はやぶさは打ち上げ以来、エンジン故障や通信途絶など数々のトラブルに見舞われ、その都度不死鳥のごとくよみがえってきた。その機体を開発し、運用管制を続けてきたのが宇宙航空研究開発機構の宇宙科学研究所(相模原市)だ。

 イトカワの名称の由来となった日本の宇宙開発の父、故糸川英夫博士の流れをくむ宇宙科学研究の牙城。緑に覆われた敷地内には研究棟や管制室、機器の実験棟などがあり、多くの人が訪れる研究管理棟ではひときわ目立つはやぶさの実物大模型が出迎える。

 はやぶさは13日夜、土壌サンプルが入っている可能性があるカプセルを機体から分離する。カプセルは大気圏再突入後、豪州の砂漠地帯に軟着陸する予定だ。

 カプセルの開封も同研究所で行う。分析を担当する藤村彰夫JAXA教授(62)は「このようなチャンスを与えられてとても幸せ。世界に誇れるデータを出したい」と、到着を待ちかまえている。

平成22年6月13日10時55分

小惑星探査機「はやぶさ」 きょう7年ぶり帰還
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by unkotamezou | 2010-06-13 10:55 | 自然 科學 技術
はやぶさ帰還 不撓不屈みせた宇宙の旅

 ついに「はやぶさ」が帰ってくる。7年間、60億キロに及ぶ宇宙の旅路からの帰還である。

 本体は地球の大気圏で燃え尽きるが、直前に分離したカプセルは、パラシュートを開いてオーストラリアの砂漠に着陸する。日本時間の13日深夜の予定だ。

 大人から子供まで多くの人が関心を寄せ、声援を送るはやぶさの帰還成功を願いたい。

 はやぶさは、宇宙航空研究開発機構の研究チームが開発した小惑星探査機だ。平成15年5月9日に、鹿児島宇宙空間観測所からM5ロケットで打ち上げられた。

 小惑星は太陽系の化石のような存在だ。それを調べることで、約46億年前の原始地球の素材がわかる。火星と木星の間を中心に、小惑星は数十万個存在する。

 はやぶさが訪れたイトカワは、地球寄りのその一つだ。そこで土砂の採取を試みた。はやぶさが地上に届けるカプセルには、運が良ければ、イトカワの微細なかけらが入っている。

 世界の惑星探査史上、月以外の天体に着陸した探査機が地球に戻ってくるのは初めてだ。自律的な判断能力を備え、ロボットとしての一面を持つ、はやぶさの成果は目覚ましかった。

 新しい推進装置のイオンエンジンで宇宙空間を長期間航行し、その性能を実証してみせた。イトカワの外観の細密な画像を地球に送信し、物理的な性質についても多くの情報を収集している。

 だが、2メートル角に満たない小さなはやぶさは、過酷な宇宙の長旅で満身創痍の状態だ。姿勢制御装置やイオンエンジンも次々、故障した。7週間にわたって通信が途絶したこともある。

 いずれも致命的なトラブルだったが毎回、はやぶさは立ち上がり、地球を目指した。不撓不屈(ふとうふくつ)のけなげさが人々の心を打った。親しみを込めて「はやぶさ君」と呼ばれることも多くなっている。これまでになかった現象だ。

 強い意志にも似た、はやぶさの回復力は、研究陣の周到な設計や管制チームの臨機応変の対応能力によるものだ。世界一を目標にしたからこそ実現できた輝かしい成果にほかならない。日本の科学技術力の結晶である。

 はやぶさがなすべき仕事は、カプセル分離だけとなった。最後の電力を振り絞り、地上に届けてもらいたい。頑張れ、はやぶさ。

平成22年6月13日8時57分

【主張】はやぶさ帰還 不撓不屈みせた宇宙の旅
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by unkotamezou | 2010-06-13 08:57 | 自然 科學 技術
はやぶさ君に共感広がる

 太陽系のいにしえの姿を求めて7年、60億キロの宇宙の旅を続け、13日に地球へ帰還予定の宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」に共感の輪が広がっている。幾多のトラブルを乗り越え、最後は燃え尽きる姿に「元気づけられた」「失われた日本人の美徳を見た」との声が絶えず、映画や帰還イベントは盛況。「はやぶさ君」というキャラクターも生まれ、単なる「機械」を超え、人格を持った存在になりつつある。

 東京・丸の内にあるJAXAのPRルーム。帰還前日の12日、はやぶさコーナーには家族連れらが訪れ、備えつけのノートにメッセージをつづっていた。

《はやぶさ君お帰りなさい。君に出会ったおかげで私の人生が変わりました》

《みんなが君のことを待っています。カプセルに何も入っていなくても、戻ってきてくれただけで金メダル100個です》

 打ち上げ時からのファンというさいたま市大宮区の会社員、松山和馬さん(26)は「ついに帰ってくる。7年間、長かったです」と感慨深げに話した。

 はやぶさは平成15年5月9日、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。17年11月に地球と火星の間にある小惑星「イトカワ」へ着陸、岩石試料の採取に挑んだ。3年前から地球へ向け航行を始め、13日に豪州の砂漠へ回収カプセルを投下、機体は大気圏で燃え尽きる。

 人気にひと役買ったのは、JAXAの未踏技術研究センター研究員、小野瀬直美さん(38)と会津大学の奥平恭子准教授(37)が描いたキャラクター「はやぶさ君」。エンジン4基のうち3基が故障した上、姿勢を制御する装置3台のうち2台が故障。地球との通信が7週間途絶えながら乗り越えていく姿を描いた「はやぶさ君の冒険日誌」がJAXAのホームページ(HP)に掲載され、人気を博した。

 小野瀬さんは「ここまで人気者になってうれしいし、驚いています。今は無事帰ってきてほしい気持ちと、燃え尽きてしまう寂しさと、両方ですね」。

 動画サイトでは、はやぶさをテーマにした個人制作のアニメや楽曲が投稿され、JAXAのミニブログ「ツイッター」の登録読者は3万5千超。JAXAがHPで「応援メッセージ」を募ったところ、4月15日から12日までに1900件が寄せられた。軌跡を全編CGで描いた映画は全国の科学館で上映延長が相次ぎ、帰還祝賀イベントも仙台市や神奈川県など各地で開かれた。

 福井市の老舗酒造会社は「はやぶさ迎え酒」(720ミリリットル入り2本セットで5250円)をネット販売し、同社の田島孝太郎さん(26)は「ほぼ完売で購入者の半分以上は40~50代の男性。技術立国日本の姿と重ね合わせ、熱い気持ちになっているようです」。

 はやぶさ現象ともいえる人気を、宇宙開発を人文社会科学の視点から研究してきた京都大学の木下冨雄名誉教授(社会心理学)は「日本人は工場のラインのロボットにあだ名をつけて仲間意識を抱くという世界でも珍しい国民。そうした下地に加え、苦労を乗り越え最後は燃え尽きるけなげな姿が、リストラなど経済不況に負けず頑張る日本人の琴線に触れたのではないか」と分析する。

■JAXAのホームページに寄せられた応援メッセージ

《動画で見て涙があふれてきました。満身創痍で帰ってくるはやぶさ、最後はミッションを果たし桜と散るその運命ですが、最後まで全力でがんばって》

《日本があらゆることに自信を失いつつある今、「はやぶさ」帰還が成功裏に終わることで、まだまだ日本の技術や魂は強固に存在し、継続していることを示すことにもなります》

《はやぶさはずっと頑張ってたのに自分は全く成長していないのがなんとも…》

《私ははやぶさ君が生まれた年に肝臓移植を受けました。私が生まれ変わってから7年間はいろんな合併症に悩まされ、はやぶさ君と同様に満身創痍でした。でも現在健康を取り戻して元気に生活しています。はやぶさ君も無事地球に帰ってきてください》

平成22年6月12日23時43分

迷子 満身創痍 最後は燃え尽き けなげ「はやぶさ君」に共感広がる
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by unkotamezou | 2010-06-12 23:43 | 自然 科學 技術
宇宙ヨット「イカロス」 帆を展開

 宇宙航空研究開発機構は11日、世界初の宇宙ヨット実証機「イカロス」が、帆の展開に成功したと発表した。展開作業は3日に開始。円筒形の機体を回転(最速で毎分25回転)させ、側面に収納されていた樹脂膜を遠心力で伸展させて、約14メートル四方の帆が完全に広がったことを確認した。

 イカロスは太陽光が持つ微弱な圧力を帆で受け止め、燃料を使わずに飛行する小型ソーラー電力セイル実証機。帆の展開で、イカロス計画は「最大のヤマ場」を越え、宇宙ヨットとして本格的な航行がはじまる。金星付近に到達するまでの半年間、帆にはり付けた太陽電池の発電能力や太陽帆による加速、軌道制御技術などを検証する。

 計画をまとめるJAXAの森治助教は「世界初の宇宙ヨットが誕生したので、今後の見本になるようなクルージングをしていきたい」と話した。

 イカロスは5月21日、JAXA種子島宇宙センター(鹿児島県)から国産大型ロケット「H2A」17号機で日本初の金星探査機「あかつき」と同時に打ち上げられた。

平成22年6月11日11時38分

宇宙ヨット「イカロス」 帆を展開
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by unkotamezou | 2010-06-11 11:38 | 自然 科學 技術
「あかつき」成功で評価高まる

 日本の宇宙関連産業が世界的に存在感を高めている。海外から衛星やロケット打ち上げを受注するなど実績をあげてきたところに、5月には金星探査機「あかつき」を搭載したH2Aロケット打ち上げ成功によってさらに評価が高まる。かつてはロケット打ち上げに連続して失敗し、厳しい状況にあった宇宙関連各社の海外ビジネス展開に向けて花が開き始めているともいえる。ただ満開に向けては、国の宇宙産業政策が定まらないとの不安も残る。

 H2A打ち上げに成功したばかりの三菱重工業の川井昭陽取締役は「『あかつき』打ち上げ成功は海外も注目しており、海外ビジネスが進む。部材輸出も10年程度で倍増させたい」と意気込む。

 他社も「現在700億~800億円規模を今後10年で1500億円に倍増させる」(三菱電機)、「平成20年度に500億円規模を31年度までに1000億円規模に引き上げる」(NEC)と、宇宙ビジネスを手がける各社の事業計画は強気だ。

 その背景には、海外からの衛星やロケット打ち上げ受注という実績に加え、昨年の国際宇宙ステーションに物資を届けた物資輸送補給機「HTV」が宇宙空間で世界初の自動ランデブーに成功したことも大きい。米国のISS向け輸送機メーカーは同システムを製造した三菱電機に9機分のシステムを約60億円で発注したほどだ。

 国内衛星メーカートップの三菱電機によると、同社の宇宙ビジネスは「平成10年代前半までは海外の静止衛星商談では提案さえさせてもらえなかった。実績のないメーカーからの提案は時間の無駄だったから」(三菱電機宇宙システム事業部の稲畑広行部長)という状況にあった。

 その雰囲気が変わったのは平成18年に打ち上げられた国の多目的衛星「ひまわり7号」と20年の国内衛星通信事業者の「スーパーバードC2号機」を連続して同社が受注、製作し、実績ができてからだ。

 この実績をベースに平成20年12月にはシンガポールと台湾の業者から商用通信衛星「ST-2」の製作を受注した。バスと呼ばれる衛星本体部分も含めた海外からの受注は日本の宇宙産業に新たな一歩を記した。

 これに続き平成21年1月には三菱重工が海外初の案件として韓国の多目的実用衛星打ち上げを受注したのも17年以降のH2Aロケットの連続打ち上げ成功が評価されたからだ。

■官民一体の体制不可欠

 日本の宇宙技術のレベルを示す事例はまだある。今月13日には小惑星「イトカワ」の探査機「はやぶさ」が7年ぶりに地球に帰還。はやぶさに搭載された新型イオンエンジンの耐久性も実証される。同エンジンを製作したNECは米国市場開拓に向け、米エアロジェットと共同開発することを決めた。

 民間の相次ぐ実績に加え平成20年には宇宙開発利用を打ち出した宇宙基本法が施行され、日本の宇宙ビジネスの明るい未来を示すかにみられた。

 ただ、基本法施行1年後に誕生した鳩山政権の宇宙開発政策は一貫しなかった。昨年11月の事業仕分け第1弾では、官民共同開発の中型ロケット「GX」開発計画をエンジンを除いて中止を決定。HTV開発や平成24年度以降の衛星打ち上げ予算についても1割削減を決めた。

 アジア唯一の参加国として存在感を高めているISSの利用期間延長をめぐっても、欧米各国が早々に延長方針を打ち出したのに対し、日本はまだ審議会での議論が続いている状態。

 一方で、政府の宇宙開発戦略本部は5月の会合で宇宙産業の推進方針を決定。現在7兆円弱の広義の宇宙産業規模を10年後に15兆円に倍増させる方針を打ち出した。政府がブレーキをかける中でアクセルを踏んだ形で、姿勢が定まらない。

 「世界の競合各社が国のバックアップを受けている中で、民間だけでは戦えない」(大宮英明三菱重工社長)ことは事実。実際、三菱電機の衛星もNECの新型イオンエンジンも、国の開発プロジェクトによって生まれた技術だ。H2Aロケットも国主導で開発された後に民営化された。

 「途上国向けなどでも官民一体のビジネス推進が必要」(NEC宇宙システム事業部の木下伸也部長)との声が聞かれる中、菅政権は宇宙産業をどこに導くのか。三菱総合研究所の羽生哲也宇宙情報グループ主席研究員は「スペースシャトルの退役が決まり、日本の宇宙産業には大きなチャンス。官民一体でチャンスを拡大すれば海外のメジャーマーケットに出て行ける」と指摘する。

平成22年6月10日8時15分

宇宙産業 輝き出す星 「あかつき」成功 高まる評価
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by unkotamezou | 2010-06-10 08:15 | 自然 科學 技術
はやぶさ 軌道修正に成功、七年ぶり地球へ

 宇宙航空研究開発機構は5日、小惑星探査機「はやぶさ」の地球帰還に向けた軌道修正に成功したと発表した。小惑星「イトカワ」の砂が入っている可能性のあるカプセル部分が、13日深夜にオーストラリア南部に落下することが確実になった。

 平成15年5月にM5ロケットで打ち上げられて以来、約7年ぶりの地球帰還となる。姿勢制御装置やエンジン類の故障などトラブルが相次ぎ、一時は帰還が困難視されたが、故障したエンジンの部品を活用するなどして乗り越えた。

 小惑星の岩石が回収されれば世界初の快挙。約46億年前に太陽系ができたころの情報をとどめている貴重な試料で、太陽系の進化についての研究が大きく前進すると期待される。

 プロジェクトを率いる川口淳一郎教授は記者会見で「地上に戻って初めて、目的とした宇宙との往復ができたといえる。感慨無量だ」と述べた。

 宇宙航空研究開発機構は3日から軌道修正のために、はやぶさのイオンエンジンを噴射し続け、5日午後2時前、計画通り噴射を停止した。イオンエンジンは昨年11月以降、4台中3台は劣化のために単独で動かなくなり、2台の正常な部品を組み合わせて1台の働きをさせる「スペアタイヤで走るような」(川口教授)工夫でしのいできた。

 9日にはオーストラリア・ウーメラ砂漠に設定した落下範囲に精密に導くため、最終的に軌道を微修正。13日夜、探査機本体からカプセルを分離し、約3時間後に大気圏に突入する。本体は途中で燃え尽き、カプセルがパラシュートを開いて砂漠に落下する。

平成22年6月5日23時57分

はやぶさ 軌道修正に成功、7年ぶり地球へ
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by unkotamezou | 2010-06-05 23:57 | 自然 科學 技術
【五十億キロの旅路 「はやぶさ」帰還へ】(上) 小惑星へ二度の着陸

消えない「降下中」

 「降下を開始します」

 平成17年11月19日夜、相模原市の宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部(当時)。管制室に、小惑星探査機「はやぶさ」のチームを率いる川口淳一郎の声が響いた。

 地球から3億キロ離れた小惑星「イトカワ」への着陸と岩石試料採取への挑戦が始まる。地球との交信に往復で30分もかかるため、はやぶさは搭載した機器で自律的に状況を見極め、毎秒数センチの速度でイトカワとの距離を縮めた。管制室の状況はインターネットで全世界に中継された。

 しかし、日付をまたいで着陸が想定される時間を大幅に過ぎても、「降下中」の画面表示が消えない。原因は不明。管制室は静まりかえった。

 「だめだなこれは。何が起きているのかわからない。離陸だ」

 川口が沈黙を破った。この時点で、着陸失敗、岩石採取は未遂と覚悟した。

 データ解析の結果、はやぶさはイトカワの地表で2、3回バウンドした後、約30分間も倒れ込んでいたことが判明。少なくとも着陸には成功したのだ。

 「呼吸はつかめたぞ」

 再挑戦に向けて、チームの意気は上がった。

★「月の石」以来★

 地球以外の天体から、岩石試料の回収に成功したのは、米国のアポロ計画と旧ソ連のルナ計画による「月の石」だけだ。太陽風の粒子や、彗星の塵を持ち帰った例はあるが、はやぶさが着陸・採取・回収に成功すれば、ルナ24号以来34年ぶりの快挙となる。

 はやぶさ計画の始まりは約20年前、宇宙科学研究所で構想が練られた。当時を知るJAXA名誉教授の的川泰宣は「かなりチャレンジングだったが、当時の宇宙研では“行ける所まで行こう”との雰囲気だった」と振り返る。

 イトカワは地球からの距離が月の約800倍、重力は地球の10万分の1以下。往復の航行と着陸には、高度で繊細な技術が要求される。岩石試料の採取は、長さ1メートルの筒を降ろし、金属弾を衝突させて舞い上がった岩石の粉を取り込むというユニークな方法になった。

★成否は帰還後★

 2回目の着陸を試みたのは11月26日。降下は順調、管制室の画面に作業完了を示す「WCT」の文字が緑色に点灯した。

 「やったー」。成功を確信し、笑顔と歓声が管制室に広がった。その喜びもつかの間、金属弾が発射されなかった可能性が高いことが、データ解析で判明した。

 地球へ帰還させるには、3度目に挑む時間の余裕がない。「計画通り」ではなかったが、2度の着陸で収集容器に砂ぼこりが舞い込んだ可能性は残っている。

 「成否は地球で回収するまでわからない」(川口)。帰路についたはやぶさを待ち受けていたのは、さらに厳しい試練だった。

   ◇

 地球まで約700万キロ(5月28日現在)。宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が地球に向かっている。打ち上げから7年、航行距離は50億キロにも及ぶ長い旅路のゴールが近づいた。6月13日の帰還を前に、数々のトラブルを乗り越えてきた関係者の苦闘と希望の道のりを振り返る。

平成22年5月30日21時28分

【50億キロの旅路 「はやぶさ」帰還へ】(上) 小惑星へ2度の“着陸”
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by unkotamezou | 2010-05-30 00:10 | 自然 科學 技術