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日米安全保障協議委員会 共同声明
日米2プラス2 世界規模の脅威に対処 中国「封じ込め」も視野
「共通戦略目標」日米、細部まですり合わせ

 【ワシントン=半沢尚久】日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意される「共通戦略目標」は、米中枢同時テロで顕在化した世界規模の「新たな脅威」と、北朝鮮、中国というアジア太平洋地域の「不安定要因」に、日米がより強力に共同対処していくという今後の針路を明確にしたものだ。米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)に伴う自衛隊と米軍の役割分担や、個別の基地再編案を検討するうえでの「基本理念」となり、日米同盟の強化へ向けた協議はようやく「出発点」(大野功統防衛庁長官)に立った。

 米軍は、冷戦時代のソ連、冷戦後の地域紛争への対処から、テロや大量破壊兵器拡散という「新たな脅威」への対処に転換し、軍事革命(RMA)を背景に再編を進めている。日米間の再編協議もこの一環で、共通戦略目標は「9・11後の世界に日米同盟が安全保障面でどう立ち向かっていくのか」(政府筋)を打ち出している。

 共通戦略目標の合意はまた、米陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)への移転問題など、個別の基地再編案をめぐる論議が先行、混乱した日米協議を、仕切り直すという意味もある。

 日本政府は昨年十二月、新たな「防衛計画の大綱」を閣議決定。米政府も来年二月の策定に向け、「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)の取りまとめを進める。その過程で合意される今回の共通戦略目標は、両政府がそれぞれ描いてきた安全保障戦略を“屋台骨”に、認識の細部まですり合わされた。

 その過程で、最大の焦点になったのが中国に関する記述だ。昨年十一月、中国原子力潜水艦が日本の領海を侵犯した事件を受け、「脅威認識を明確に指摘すべきだ」(自民党国防関係議員)との見方も浮上した。

 しかし、最終的に日米が中国との協力関係を発展させ、地域の平和と安定に建設的な役割を果たさせることで、中台問題の「平和的解決」を図るとの記述で落ち着いた。

 これは「緩やかな囲い込み戦略」だ。中国に日米への協調路線をとるよう促すが、ひとたび中国が挑発的な行動に出れば、「封じ込め」へと転換する含みがある。

 在日米軍基地の個別の再編案をめぐる協議も今後、加速するとみられ、新たな負担を迫られる再編案には国内の反発も予想される。それだけに、共通戦略目標でうたった意義を国民に分かりやすく説明し、理解を得ていく努力が求められよう。



≪共同声明のポイント≫

一、テロや大量破壊兵器拡散、アジア太平洋地域での不透明性・不確実性の継続など安全保障環境を確認

一、地域、世界規模の共通の戦略目標を協力して追求

一、自衛隊と米軍の役割・任務などの検討を続け、在日米軍再編協議を強化。抑止力を維持し地元負担を軽減

一、北朝鮮や台湾海峡問題の平和的解決、朝鮮半島の平和的統一を追求。中国の責任ある建設的役割を歓迎し、協力関係を発展

一、北朝鮮の六カ国協議への速やかな無条件復帰と核計画の完全な廃棄を要求

 (半沢尚久)



≪日米同盟をめぐる主な動き≫

96-04 日米安保共同宣言署名

96-12 日米特別行動委員会(SACO)最終報告

97-09 新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)決定

98-08 北朝鮮が弾道ミサイル「テポドン」発射

99-03 能登半島沖で不審船が領海侵犯、初の海上警備行動発令

99-05 周辺事態法成立

01-09 米中枢同時テロ

01-10 テロ対策特別措置法成立

01-12 奄美大島沖で北朝鮮工作船と海保が銃撃戦

02-10 北朝鮮が核兵器開発認める

03-03 米英などがイラク攻撃開始

03-06 武力攻撃事態対処法など有事関連3法成立

03-07 イラク復興支援特別措置法成立

03-11 ブッシュ米大統領が世界規模の米軍再編で同盟国との協議加速化を表明

03-12 政府がイラクへの自衛隊派遣決定

04-01 陸上自衛隊先遣隊がイラク・サマワに

04-06 国民保護法など有事関連7法が成立

04-08 普天間飛行場近くで米軍ヘリが墜落

04-10 日米外相が「共通戦略目標」策定で合意

04-12 自衛隊イラク派遣の1年延長決定

05-02 ワシントンで「2プラス2」開催、共通戦略目標を発表

http://www.sankei.co.jp/news/050220/morning/20pol001.htm
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by unkotamezou | 2005-02-20 08:30 | 國防 軍事