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皇室典範有識者会議
皇室典範有識者会議 歴史的背景など検証
自民「男子優先・女子容認」が大勢

 皇位継承のあり方を議論する小泉純一郎首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大総長)は十八日、第二回会合を開き、現皇室典範制定の歴史的背景などを検証した。しかし、メンバーに専門家が少ないこともあって、会議は「ただの勉強会」(出席者)の域を出ておらず、次回も古代からの皇室の歴史についての勉強会となる。憲法が国民統合の象徴と定める「天皇」にかかわる国民的関心事だけに、拙速は避けるべきだが、会議は議論の入り口で足踏みしている状態だ。

《厳しい日程に》

 一月の初会合では、皇位継承の仕組みや天皇の国事行為などについて事務方が説明。会合後に記者会見した吉川座長は「いずれ皇位継承の制度について提案するが、その際はなぜその制度が良いか国民が納得する形で示す」と展望を述べた。

 ただ、十八日の会合でも、メンバーからは「万世一系とは何を意味するのか分かりにくい」といった感想が出た程度で、意見を戦わせる場面はなかった。現在の月一回ペースの会合で、政府が目指す今秋の報告書提出や来年の通常国会での皇室典範改正案提出は「初めから無理がある」(自民党議員)のが実情だ。

 会議では「皇室法概論」の著書があり、皇室に関する重要事項を決める皇室会議メンバーだった元最高裁判事の園部逸夫座長代理や内閣官房副長官を八年七カ月務めた古川貞二郎氏が議論をリードするとみられる。

 園部座長代理は平成十六年五月の参院憲法調査会で女性天皇容認論を展開。古川氏は橋本内閣時代、橋本龍太郎首相(当時)の指示で非公式に女性天皇について検討している。各種世論調査で国民の約八割が女性天皇を容認していることもあり、会議は女性天皇を認める方向で進みそうだ。

《GHQの意向?》

 同会議が設置され、皇位継承のあり方を議論することになったのは、皇室典範が「皇位は男系の男子が継承する」と定めるのに対し、昭和四十年の秋篠宮さま以降、皇室には男子が誕生していない事情がある。

 皇室典範は天皇と皇族の養子禁止や女性皇族の結婚による皇籍離脱も定めており、このまま放置すれば将来、皇位継承者がいなくなるという「第一章に『天皇』を定めた現憲法の想定外の事態」(与党議員)が起きかねないためだ。

 そもそも現皇室典範自体、連合国軍総司令部(GHQ)の指示・意向に沿って制定された経緯がある。小堀桂一郎東大名誉教授は、GHQが事実上、旧十一宮家を皇籍離脱させたことと合わせて、「(GHQは占領成功のため)天皇の位は存続させておく一方で、日本が将来再び連合国の脅威とならないよう皇室を弱体化しておくという方針だった」と指摘する。

《憲法起草に影響》

 今月十五日から憲法改正案の天皇関連条項の検討を始めた自民党の新憲法起草委員会の「天皇」小委員会(委員長・宮沢喜一元首相)は女性天皇の是非について、「有識者会議の結論を尊重」(同小委幹部)とする。

 重要論点であるため、議員の関心は高い。初会合では女性天皇に反対論はなかったが、皇位継承は男子を優先し、そのうえで女子の継承(女性天皇)も認める方法を支持する意見が多かった。「『国民が男女同権だから』といった思い付きの議論ではなく、天皇陛下や皇室のご意向の尊重が必要」との指摘も出た。

 また、「象徴天皇制」を支持する意見が大勢を占めた。象徴天皇制を維持したうえで「元首」と明記することには賛成論が多いものの、慎重論もあって結論は出ていない。同小委は三月十五日に素案をまとめるが、有識者会議の論議にも微妙な影響を与えそうだ。



 《皇室典範に関する有識者会議メンバー(敬称略)》

 吉川弘之  元東大総長(座長)

 園部逸夫  元最高裁判事(座長代理)

 岩男寿美子 武蔵工大教授・慶応大名誉教授

 緒方貞子  国際協力機構理事長

 奥田碩   日本経団連会長

 久保正彰  東大名誉教授

 佐々木毅  東大総長

 笹山晴生  東大名誉教授

 佐藤幸治  近畿大法科大学院長・京大名誉教授

 古川貞二郎 前内閣官房副長官

http://www.sankei.co.jp/news/050219/morning/19pol001.htm
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by unkotamezou | 2005-02-19 13:09 | 皇室