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西陣織で手軽に「携帯圏外」電磁波通さないきんちゃく袋
西陣織で手軽に「携帯圏外」 電磁波通さないきんちゃく袋を開発 京都・中彦

19-03-05 13:27

 西陣織の老舗で製造・販売を手掛ける「中彦」(京都市上京区、中村啓介社長)は、携帯電話の電磁波を遮断できる織物を開発し、サンプル出荷を始めた。西陣伝統の「金銀糸(きんぎんし)」の技術を応用し、地元メーカーなどと共同開発した特殊な銀糸を用いて織り上げた。学校や病院、飛行機の機内などでは携帯電話の使用が制限されている場所も多いが、この織物を使ったきんちゃく袋には他企業からの引き合いも寄せられ始めた。(田端素央)

 金銀糸は芯(しん)となる糸に金箔(ぱく)や銀箔を巻きつけて作る光沢のある糸で、西陣織独特の技術。今では専用の装置を使った製造方法が主流となった。色のバリエーションも広がり、和装だけでなく、洋服にも使われている。

 織物に使われている特殊銀糸は、中彦が金糸・銀糸を製造する尾池テック(同区)に開発を依頼した。技術面では京都工芸繊維大学工芸学部の秋山正博教授(電子システム工学)が協力し、京都府中小企業技術センターが電磁波の遮断性能を評価した。同社では現在特許を出願している。

 創業約150年の老舗ながら最新技術に挑戦した同社だが、織布の開発に着手したのは今から3年前のこと。子供を狙った事件が全国で多発し、携帯電話を持つ子供たちが急増したことがきっかけだった。

 この影響から、学校の授業中に着信音が鳴り響いて進行が妨げられるケースも増えていることを聞いた中村社長は「携帯電話のオンとオフとを手軽に使い分けられたら便利になるのでは」と考えたという。

 織り方は西陣織の伝統技術を用いており、生地の質感は通常の織布と変わらず、通気性もある。その一方で電磁波を遮断する性能は非常に高いとの評価を受けている。

 同社が試作した「シールドきんちゃく」に携帯電話を入れて袋の口を閉じると、携帯電話の基地局の真下でさえ、さまざまな周波数の電波に全く反応せず、「圏外」と表示されたまま着信しないことを確認したという。

 織布のサンプル価格は68×100センチで1万円。特に「シールドきんちゃく」は他の企業からの注目度も高く、中小企業向けの見本市などにも出展されたことから、引き合いが徐々に増加しているという。同社は今後、自社での商品化を目指す一方で、織布の量産化やきんちゃく袋以外の応用製品の開発などで連携する企業を募る。
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by unkotamezou | 2007-03-05 13:27 | 歴史 傳統 文化