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歌会始の儀 今年のお題は「月」
歌会始の儀 今年のお題は「月」

 新春恒例の「歌会始の儀」が15日、皇居・宮殿「松の間」で開かれた。今年のお題は「月」。天皇、皇后両陛下、皇太子ご夫妻はじめ皇族方のお歌のほか、天皇陛下に招かれた召人(めしうど)で歌人の大津留温さん(85)や一般応募で入選した10の歌などが、古式ゆかしい発声と節回しで朗詠された。

 宮内庁によると、天皇陛下は、宮殿で認証官任命式を終え、御所に戻るときの情景を詠まれた。皇后さまは毎年元日の明け方、宮中祭祀(さいし)に出る陛下を見送り、ご自身も御所の外で拝礼する際に、年ごとに月や星の位置や満ち欠けを楽しみにしながら、空を見上げる気持ちを歌にされたという。

 皇太子さまは、ほおを刺すような寒さと静けさに包まれたスキー場で、明るい月の光が注がれ、雪をかぶった木の茂みがくっきりと浮かび上がってくる様子を詠まれた。雅子さまは、昨秋のお月見のころ、「お月様がみたい」という愛子さまの誘いで、一緒に東宮御所の庭に出て、手をつないで月夜を見上げながら、幼い愛子さまと過ごす日々の幸せを歌に込められたという。

 昨年9月に悠仁さまを出産した秋篠宮妃紀子さまは、入院中の病院で、家族の元を離れて入院生活を送る子供たちと、その子供たちを見守る医師や看護師に思いをはせて詠まれたという。

 一般からは2万3737首の応募があり、入選最高齢は岡山県倉敷市の農業、高原康子さん(75)。最年少は大阪市都島区の高校1年、吉田敬太さん(16)だった。佳作には東京都小金井市の小学5年、神屋良五郎君(11)ら15人が選ばれた。

 天皇、皇后両陛下、皇族、召人、選者、入選者の歌は次の通り。(仮名遣い、振り仮名は原文のまま)

天皇陛下

務め終へ歩み速めて帰るみち月の光は白く照らせり

皇后さま

年ごとに月の在(あ)りどを確かむる歳旦祭(さいたんさい)に君を送りて

皇太子さま

降りそそぐ月の光に照らされて雪の原野の木むら浮かびく

皇太子妃雅子さま

月見たしといふ幼な子の手をとりて出でたる庭に月あかくさす

秋篠宮さま

モンゴルを走る列車の車窓より見えし満月大地照らせり

秋篠宮妃紀子さま

月てらす夜半の病舎にいとけなき子らの命を人らまもれり

常陸宮さま

望月の光あまねき草生(くさふ)よりかねたたきの声しづかに聞こゆ

常陸宮妃華子さま

をとめらは夏の祭りのゆかた着て月あかりする山の路ゆく

三笠宮妃百合子さま

ならび立つ樹氷を青く照らしつつ蔵王(ざわう)の山に月のぼりたり

寛仁親王妃信子さま

澄みわたる月の光をあふぎみて今の世思ひ次の世を思ふ

高円宮妃久子さま

知床の月のひかりに照らされて梢にとまるしまふくろふ見ゆ

▽召人

大津留温さん

天の原かがやき渡るこの月を異境にひとり君見つらむか

▽選者

安永蕗子さん

湖に浮きていさよふ円月を遠く見てゆく冬ふかきかな

岡野弘彦さん

望月は海原たかくまかがやき伊豆の七つの島さやかなり

岡井隆さん

月はしづかに天心に浮き足早に歩くわれらを見守らむとす

篠弘さん

路上なる古本祭りつづきゐて夕空は朱の月をかかげつ

永田和宏さん

夕月を肩に押し上げ静かなる雪の比叡を見つつ帰らな

▽入選者(年長順)

岡山県 高原康子さん

有明けの月照る畑に総出して出荷のアスター千本を切る

愛知県 奥村道子さん

黒板に大き三日月吊されて園児らはいまし昼寝のさなか

徳島県 金川允子さん

台風に倒れし稲架(はさ)を組みなほし稲束を掛く月のあかりに

秋田県 田村伊智子さん

月光をたよりて屋根の雪をきる音かすかして子の丈みえず

広島県 杉田加代子さん

弓張の月のかたぶくころほひに携帯メールはひそやかに来ぬ

北海道 藤林正則さん

サハリンを望む丘のうへ放牧の牛千頭を照らす満月

秋田県 山中律雄さん

映像に見し月山の朝のあめ昼すぎてわが町に移り来

東京都 藤田博子さん

月の庭蒼き梢に目守られて昨日となる今日今日となる明日

東京都 一杉定恵さん

実験のうまくゆかぬ日五ヶ月の胎児動きてわれを励ます

大阪府 吉田敬太さん

帰省した兄とボールを蹴りに行く土手一面に月見草咲く

2007/01/15 12:15 Copyright c 2007 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.
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by unkotamezou | 2007-01-15 12:15 | 歴史 傳統 文化