2007年 01月 13日
「欧州再発見」…安倍首相を評価 仏紙
「欧州再発見」…安倍首相を評価 仏紙
欧州は安倍晋三首相が日本の歴代首相の慣例を打ち破り、訪米より訪欧を優先したことを「欧州再発見」(仏紙ルモンド)と歓迎した。背景として(1)中東問題、中国とロシアの台頭、イランと北朝鮮の核問題における「欧州の政治力の増大」(2)第二次世界大戦後、日米関係を最優先にしてきた日本の外交戦略が転換期を迎えた-ことなどを指摘している。 欧州では自由と民主主義の勝利に終わった冷戦終了直後から、日本は外交の基本方針の「パックス・アメリカーナ(米国支配による平和)」と「吉田ドクトリン(日米安保条約、米国の核の傘による軽武装と経済最優先政策)」を脱却して欧州にも目を向けるべきだと指摘されてきた。 安倍訪欧と時を同じくして防衛庁が防衛省に“昇格”したことも、日本が自国の安保を米軍のみに依存せずに「消極的平和主義から積極的平和主義」(外交筋)に転じた表れとみている。ブレア英首相やシラク仏大統領がそれぞれ日本の国連安全保障理事会常任理事国入り支持を強調したのもこうした認識の表れだ。 安倍首相の日本の首相として初の北大西洋条約機構(NATO)訪問も日本が経済大国から政治、外交大国への転換を図っている一環とみている。日本の要請する対中国武器禁輸措置についてメルケル独首相が初めて「禁輸維持」を明言した背景にも日本の姿勢への評価があるとみられる。 これに対し、シラク大統領はこれまで「禁輸解除」を主張。NATOとアジア地域の連携についても昨秋リガで開かれたNATO首脳会議で「軍事的性格が失われ、国連と競合する」と懐疑的な見方を示した。しかし、大統領は知日派として知られ、グールドモンターニュ元駐日特命全権大使が大統領の外交顧問を務める好条件に恵まれ、「問題がないのが問題」といわれるほど日仏関係は良好だ。 大統領は安倍首相とは官房長官時代から何回か会っているので、初の首脳会談でも首相を「友人」と呼び、日本を「戦略的パートナー」と位置づけた。北朝鮮の核問題を含むアジアでの日本の政治的役割に期待を寄せると同時に日仏修好通商条約150周年(2008年)の記念行事での密接な協力を約束するなど終始歓迎ムードだった。 (2007/01/13 22:12)
by unkotamezou
| 2007-01-13 22:12
| 政治 行政 立法
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