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「情報活動について」ヨーソロ
「自衛隊が安全保障の柱として国家国民から特に期待されることもなく、日陰で黙々と訓練のみやっていた時代には、情報部門はオマケ分野でした。

訓練や演習は幕僚の誰かが企画するわけで、書かれた想定やシナリオも見え見え、仮想敵の情報もそれまでの経験や様々な人間関係を通じてだいたいのことは読みとれます。だから、情報専門の部門に頼らなくても作戦部門だけで充分に対策がとれたのです。所詮は身内の腹の探り合いですからね。(^-^;)ゞ

一方、現実の世界(業界用語で「リアル・ワールド」)の重要な情報は米国が(日本に必要と判断すれば・・・ですが)リリーズしてくれる「オンブにダッコ」、それだけであまり困っていなかったのです。

そのようなわけで、単なる訓練ばかりやっていた時代には(露骨な表現ですが)エリートとされる人達は殆ど情報調査部門には進まず、情報部門のトップの人事も大抵は畑違いの外様が占めるような有様でした。したがって、人事管理、要員養成、教育体系などもお座なりで、士気も高いとは言えませんでした。

約三十年弱前頃から、既に一部の分野では極めて生臭い情報を扱い始めていましたが、それは本来の情報屋さんではなくて、作戦部門の優秀な人達が自分の業務範囲を広げる形で扱っていました。これも情報部門が軽視されていた証です。

今では防衛力への期待が高まると共に情報組織にも「ひと・もの・かね」が注がれ始めて、やっと「普通の国」に近付いてきました。喜ばしい限りです。

話は変わりますが、秘密保護法のことです。我が国にはまともな法律がありません。この制度が整っていないばかりに我が国はどれほど損をしているか知れません。

特にひどいのは国会議員です。彼等は秘密事項を知るとむしろ吹聴するのです。バラすことによって大きく失うもののあることを全く理解しないのです。

典型的な例が田中真紀子外相の九・一一事件当時の失言です。「米国務省の緊急疎開先」をマスコミにべらべら喋りましたよね。このため担当の官僚は、情報機関や友好国から貴重な情報が入っても政治家にはギリギリまで報告しませんし、その内容も必要最小限(と彼等が考える)範囲しか知らせません。これで本当のシビリアン・コントロールができるでしょうか?

マスコミも問題です。過去の経験では、オフレコ発言と断っていても平気で約束を破りますし、公表期限の口約束もしばしば平気で踏みにじります。他人の迷惑など全くお構いなしでした。

(話が逸れますが、朝日新聞社とNHKの泥仕合を見るに付け、「なだしお」事件当時の記者達の傍若無人な態度が思い出されます。第四権力を振り回すに相応しい人格や識見は彼等から感じられませんでした。特に社会部記者はひどい・・・)

これでは結局、秘密を守る側の壁は厚くならざるを得ません。これで国民大衆に正しい情報が伝わるでしょうか?

民主主義の軍隊にとってプレス対策は極めて重要です。既にWW2中の米海兵隊の話として、「指揮官達は敵を恐れるより、記者達の目を恐れた」という記事を読んだことがあります。

日本では更に加えて「大本営発表」という言葉に象徴されるように、政府発表に対する国民の根強い不信感があります。

自衛隊の広報担当者は、危機管理の少なからざる部分がマスコミ対策であることを「雫石事件」や「なだしお事件」で存分に認識させられましたし、国民からの信用の醸成に務めることの重要性も充分に認識していると思います。

広報とプロパガンダは表裏一体・紙一重で、英国のBBCもWW2中には随分ウソを報道したのですが、現在まで報道機関として世界で最も信頼されていますね。これが理想の姿でしょう。

ではまた。ヨーソロの管見でした。」

平成一七年(二千五年)一月二十八日
軍事情報 号外
http://okigunnji.com/
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by unkotamezou | 2005-01-28 16:56 | 國防 軍事