ブログトップ
「情報活動について」侍魂
「北朝鮮問題にしても、未だに中国を当てにして外交しています。我が国には国交のない国や敵対する国に対する調査機関がないからです。他人を頼んで国家の行く末を正確に判断することができるでしょうか? 会社を自分で経営していて、重要な商談や交渉ごとを他人まかせにする社長がいるでしょうか?

我が国には 情報が無いのではなく調べる機関や組織も人材も無いのです。多分、こういった問題を解決すべき立場の人が自分の家族や恋人が拉致されていなかったのでしょう。もし、自分の事だったらと思うとぞっとします。

二十年以上も他国に監禁されていて、誰も助けにきてくれないなんて。しかも愛する祖国が知って知らぬふりだなんて、何のために税金払っているのやら。拉致された方は今も一日千秋の思いで救いの手を待っておられることでしょう。

私個人的には、新たな情報機関にはこういった方々を救い、また、今後同様な事態を発生させないような組織であってくれればと思います。

具体的にはどのような組織になるのかという部分ですが、今までの防衛、治安維持一辺倒ではなく、テロ、災害などの様々な状況に対応できる組織づくりをするものと考えられます。

私は現在も航空自衛隊に予備役として招集に応じている関係上、上官の作戦指導要綱などに意見を申し上げる立場ではありませんが、個人的には、私を含め日本人全体に言えることとして、非常に情報収集、分析、対応については疎いということが言えると思います。これは何も自衛隊だけに言えることではありません。

民間の企業においても言えることです。やはり、四方が海に囲まれていて、欧州のようにいつも誰かの侵略を受けているような国ではないからかも知れません。

国防と言っても、何も相手の軍事力から国を衛るだけではありません。現在のような状況では、軍と軍が国家の雌雄を決する激突をするような戦争は起きにくい状況と言えます。(現在に限ってです。今後も無いとは言えません)

従って、現在、今後も含めて国家防衛と同時に、大規模災害、テロリズム、国際協調、経済活動なども視野に入れた情報活動が重要です。

情報組織などはいくらあっても、ありすぎて困るというものではありません。今回の陸自の組織にしても、専門のインテリジェンススペシャリストが必要な状況にやっと我が国も気が付いただけのことです。先進諸国に比較すれば遅すぎだとの内部意見もあります。

情報収集・分析・研究・対応が如何に大切なものであるかは、今回のスマトラ沖地震が如実に物語っていると言えます。

「日本の津波警報システムがあれば」という話を良く耳にします。日本は世界有数の地震国であり、地震に伴う予知、対策、研究を行ってきました。過去の情報を収集し分析、現在に生かすということであり、情報を警戒システムと組み合わせることで被害を防ぐという構想です。

企業でも他社の動向や市場のマーケティングリサーチの情報を収集し、自社の新製品開発や販売戦略に用います。これによって企業の命運は定まると言っても過言ではないでしょう。

このように、情報は、目に見えるものから肌で感じることまで、必要とまるで思われないようなものまでがこれ総て情報です。

沢山の情報を収集し、ふるいにかけ、必要なものを取り出す。このような遠大な作業はあまりやりたいものではありませんが、私は、人間が生きていく上で、最も重要な要素であると思っております。情報なくしては、明日デートする彼女の好きなものから、試験に何が出題されるかも、倒産しないような会社に就職 できるか、果ては今日の晩ご飯のおかずまでわからないからです。これ総て情報です。

私が現在所属する会社の代表者が、上海その他の中国の現況を見た時、今後の日本は中国に負けると感じたそうです。日本の大学生は、大学に入ってしまえば、四年間黙っていれば卒業でき、毎日、真剣に勉学に励んでいるのは、一部の学部やわずかな人ではないでしょうか。

中国の大学生は、夜の十時を過ぎても大学で勉強しているそうです。中国は人材はいくらでもいるため、ちょっとやそっとの人材では企業に採用してもらえないのです。また、企業ひとつとっても、国が強い影響力を持って管理しているため、広大な国土を上手く活用し、工業区ごとに事業運営を行っています。

日本では優秀な中小企業があっても、銀行が融資しないため、旧式な設備で事業を行っていることが未だにありますが、中国では潤沢な資本を背景に、日本の最新鋭の設備や工業機器を導入し、同じ商品を生産しても、中国の方が優良で価格の安価なものを販売することが可能です。

頼みの人材も、中国は十億人の中から優秀な人材を選抜できます。十億人から一人選ぶのと一億人から一人選ぶのとでは全く話しが違います。

つい最近でもアメリカの某コンピュータ会社を買収したことでも話題になりましたが、今までは日本や諸外国の優秀な技術力や人材を吸収し発展してきましたが、現在は資本をバックに外国企業をそのまま買収してしまうケースが増えています。足らないものは買ってしまえということです。

確かに中国は、我々や欧米の考え方からすれば、未だに理解できない不可思議な部分も多々ありますが、それは六十年前我が国も同様であったことを忘れてはなりません。日本人の中には中国を蔑視している人も多く見受けられますが、そんな方は上海周辺の工業区を見学なさると良いかもしれません。私は十年先の日本が心配になりました。

先達は情報収集より得られる情報を元に戦法を研究することを怠り、我が国を敗戦に導いてしまいました。

「ある通信兵のおはなし」の方のように、実際に米軍の戦法に直接触れ、それを研究し、対応するということは、結局は最前線に位置する兵士レベルしか行ってはいなかったのです。良く戦史研究家の本など読むと、日本はレーダーを開発しなかったから負けたとか、ミッドウェー海戦の運命の五分間とか良く言われていますが、私的にはどれも全く的外れのよくわかっていない人間の回答だと感じております。

総ては情報収集・分析・研究を重要だと考えていなかったからです。そして、情報によって十分な研究もせず、他国の人間を軽んじていた当時の不勉強だと思っております。確かに当時は今のようなインターネットも有りませんし、テレビもあるわけではありません。ですが、だからこそ敵を知り、己を知る必要があるのではないでしょうか。

大戦中は米国の工業力の前に敗退しましたが、このままでは中国の人材と生産力の前に敗退してしまうような気がします。隣国を侮ることなく、しっかりと情報を収集し、分析、研究、対応が必要と考えます。

最後に、現在も自衛隊はスマトラ沖地震の災害派遣中です。今の日本人で国際的に尊敬され、また、国内の災害など未曾有の危機の時、必要とされている日本人がどのような人であるのか、今回の防衛予算を組んだ方はわかっているのでしょうか?

いざとなったら助けてくれるのは、政治家でも役人でもないことは、救助された方が一番お分かりだと思います。現在の自衛隊というものは、戦闘任務を遂行することも重要ですが、それ以上に民間人の赴くことの出来ない危険な地域や状況に対応することの可能な組織であることを要求されていると感じます。

自衛隊の装備は戦闘機、戦車、ミサイルばかりではありません。人を救助し生存させるための装備も入っています。新潟の地震で活躍した風呂や炊事車両だってそうです! 装甲車は通常の車両が入れない場所だって走行できます! むしろ人命を救う装備を実際に使用することの方が多いのです。

その為の予算論議をしていただきたいものです。殺すのではなく助ける。自衛官の遂行するPKOこそ最高のPKOだと私は思っております。

ホンネは自衛官減らすなら役人減らせ(笑)」

侍魂より

平成十七年(二千五年)一月二十八日
軍事情報 号外
http://okigunnji.com/
[PR]
by unkotamezou | 2005-01-28 16:44 | 國防 軍事