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「A級、犯罪人ではない」 首相、小泉答弁を“修正”
「A級、犯罪人ではない」 首相、小泉答弁を“修正”

 安倍晋三首相は6日の衆院予算委員会で、極東国際軍事裁判(東京裁判)で裁かれたいわゆる「A級戦犯」について、「国内法的に、戦争犯罪人ではない」と明言した。「戦争犯罪人だという認識がある」と答弁した小泉純一郎前首相の見解を修正した形だ。首相は、就任前は否定的だった「村山談話」や「河野談話」について、国会論戦で「政府として受け継いでいる」と述べるなど持論を封印していたが、ようやく「安倍色」が出た形だ。(阿比留瑠比)

 岡田克也・民主党元代表「占領下において東京裁判の結果を受け入れたわけだから、国内法に優先する。(A級戦犯は)日本における犯罪者と言わざるを得ない」

 首相「法律によって裁かれていないにもかかわらず、首相として、政府として、この人が犯罪者だというべきではないのは当然のことだ」

 6日の予算委で、岡田氏はA級戦犯や東京裁判について首相を追及したが、首相も譲らず、激しい論戦となった。

 岡田氏は、小泉答弁を引用してA級戦犯を戦争犯罪人だと認めるように執拗に迫ったが、首相は「A級戦犯とされた重光葵元外相はその後、勲一等を授けられている。犯罪人ならばそういったことは起こりえない」と反論。さらに「(法なくして罪なしとする)罪刑法定主義上、そういう人たちに対して犯罪人であるということ自体、おかしい」と語気を強めた。

 A級戦犯として有罪判決を受けた人物では、重光氏(禁固刑7年)のほか賀屋興宣氏(終身禁固刑)も釈放後、法相に就任している。

 民主党内も、野田佳彦元国対委員長が自身のホームページで「刑罰が終了した時点で受刑者の罪は消失するというのが近代法の理念である。すでに『A級戦犯』として絞首刑になっている7人の人々も同様に解するのが自然だ」としており、意見が割れている。

 岡田氏がサンフランシスコ講和条約や日本が東京裁判を受け入れたことを「A級戦犯は戦争犯罪人」の論拠としたことに対しても、首相は次のように反論した。

 「国際法の一般的な解釈においては、講和条約が結ばれた段階で戦争裁判の効力は未来に向かって失う」

 戦犯の位置づけでは、昭和26年11月に当時の大橋武夫法務総裁(現在の法相)も参院法務委で「国内法においてはあくまで犯罪者ではない」と述べている。

 首相は、これまでの国会論戦で、さきの大戦への認識や慰安婦問題でこれまでの政府見解を踏襲する考えを表明し、自民党内の保守派を失望させている。これは「中国訪問を控えて歴史認識について踏み込んだ発言をするのは無理」(周辺)との事情があるためだが、A級戦犯に対する認識で小泉前首相の発言を踏襲した場合、靖国問題への波及は必至とあって持論を展開したようだ。

(10/07 03:21)
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by unkotamezou | 2006-10-07 03:21 | 歴史 傳統 文化