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【書評】『東條英機 歴史の証言』渡部昇一著
【書評】『東條英機 歴史の証言』渡部昇一著

東京裁判史観から脱すべし

 昨春刊行の『完訳 紫禁城の黄昏』(小社刊)において監訳を務め、東京裁判で抹殺された同書を掘り起こした著者が、刊行直後にGHQによって発禁処分となり、これまた昨年復刊(ワック出版)されるまで顧みられることがなかった東條の宣誓供述書に光を当て、当時の時代背景を含めた懇切丁寧な解説を施したのが本書である。

 著者がこの供述書を取り上げる理由は、開戦前後の政局を担当した当事者による証言という比類なき資料的価値に尽きる。これに賛同するも批判するも、昭和史を研究する者は、まず何をさしおいても目を通さねばならない第1級資料であると著者は言う。

 この供述書において、東條が言わんとしたことを整理すると、戦前の日本は、連合国側の軍事的経済的圧迫によって存立の重大な危機に曝されており、大東亜戦争とは連合国側の挑発によるもので、日本にとってはやむにやまれぬ自衛戦争であった。従って満州事変から大東亜戦争にいたるまで、日本には一貫した侵略計画があったとの検事側の見解は、荒唐無稽(むけい)というしかない、というものである。

 日本を戦争犯罪国家、侵略国家として断罪したいと考えていたGHQが、この言い分を許すわけにいかず、発禁処分としたのは当然といえたが、日本国内においては今でもこの東條の言い分を認めない人たちが多い。しかし、重要なことは戦後アメリカに戻ったマッカーサーが、上院の軍事外交合同委員会で、東條の供述をそっくりそのまま認める発言をしていることである。この事実に日本人自身が早く気づき、東京裁判史観から一刻も早く脱するべきであると、著者は声を大にして訴える。(祥伝社・2310円)

 祥伝社書籍出版部 角田勉

(07/29 05:00)
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by unkotamezou | 2006-07-29 05:00 | 歴史 傳統 文化