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「西郷隆盛=征韓論」は古い 鹿児島知事、発行元に要望
「西郷隆盛=征韓論」は古い 鹿児島知事、発行元に要望

≪西郷隆盛、平和的解決を模索…≫

 西郷どんは征韓論ではありません-。西郷隆盛が武力で朝鮮に開国を迫る「征韓論」を唱えたとされていることについて、西郷の故郷・鹿児島県の伊藤祐一郎知事が、平和的解決を目指した「遣韓論」も記述するよう高校教科書の発行元に要望書を送っていたことが15日分かった。都道府県知事が教科書記述の変更を求めるのは極めて異例。伊藤知事は「西郷の本当の姿が伝えられていない」と訴えている。(教科書問題取材班)

 現在使用されている高校の日本史教科書は8社18種類。ほとんどが、西郷隆盛が「征韓論を唱えた」「征韓派」などと記述。西郷と征韓論を明確に区別しているのは明成社の「最新日本史」だけだ。

 「西郷=征韓論」のイメージは定着し、平成16年に鹿児島県指宿市で開かれた日韓首脳会談の際には、韓国内の一部から「征韓論の故郷は開催地にふさわしくない」との声も出た。

 しかし、(1)西郷が閣議などで征韓を主張したという史料は見つかっていない(2)逆に、即時出兵などの強硬論を抑え、非武装の使節として自らを派遣するよう求めている-などの事実から、征韓論ではなく、平和的・道義的解決を模索した遣韓論だったという説も有力だ。学界をほぼ二分しており、代表的な歴史事典も両論を併記している。

 鹿児島県立や鹿児島市立の資料館が遣韓論に基づいて展示しているほか、東京・上野公園の西郷像の案内板も「征韓論が閣議に上るや断固反対して…」としている。

 鹿児島県生活・文化課によると、伊藤知事の要望書は、明成社を除く7社の社長あてに送られた。

 西郷の清廉潔白で無欲な人格、高邁(こうまい)な精神が伝えられていないことは非常に残念とした上で「少なくとも、学説上、遣韓論に立つ見方も有力であることを注釈していただければありがたいと思います。必要があれば、直接ご要請にあがります」と求めている。

 これに対し、高校日本史教科書で圧倒的シェアを誇る山川出版社は「要望書を詳細に検討しないとコメントできない」としている。

 昭和50年代から「西郷=征韓論」説を批判してきた毛利敏彦大阪市立大名誉教授(日本政治外交史)は「高校生は読書などで遣韓論が有力だと知っている。教科書は学説状況を反映すべきだ」と話している。

07/16 10:22
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by unkotamezou | 2006-07-16 10:22 | 歴史 傳統 文化