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日米英仏 北制裁決議案を提出 安保理十日にも採決
日米英仏 北制裁決議案を提出 安保理10日にも採決

 【ニューヨーク=長戸雅子】北朝鮮のミサイル発射問題をめぐり日米英仏の4カ国は7日午後(日本時間8日未明)、対北朝鮮制裁決議案を国連安全保障理事会に提出、週明けの10日にも採決に持ち込む構えを見せている。中国、ロシアが拘束力のない議長声明の採択を主張するなか、安保理の結束より、「強いメッセージと迅速性」を重視した結果だ。一方、中国は「あらゆる可能性がある」(王光亜国連大使)と拒否権行使も辞さない姿勢を見せており、採決では中国が棄権するか拒否権を行使するかが最大の焦点となっている。

 日本の外交筋は「たとえ全会一致でなくても早ければ早いほど安保理の力、機動力を示すことができる。時機を逸すればその分メッセージは弱くなる」と指摘する。

 日本にとっては、北朝鮮のミサイルが発射される前の予備協議から始まった米国との共同歩調も強みになっている。ボルトン米国連大使は決議草案の本格交渉が開始された6日、「(安保理15カ国のうち)13カ国が議長声明でなく決議案に賛成している」と発言。“少数派”の中国、ロシアを牽制(けんせい)した。

 7日午後の安保理非公式協議では、「テポドン2号」がハワイ周辺に照準を合わせていたとの分析があることにあえて言及、米国の安全保障にも直接かかわる重大な問題との認識を示した。

 協議では中国が日本などの決議案提出を「安保理団結の基礎を破壊する行為」と激しく非難したのに対し、ロシアからの発言はなかった。国連外交筋は「こういう場合の沈黙は棄権するというシグナル」と指摘。「前回の協議と雰囲気が明らかに変わっており、中国だけが孤立している印象を受けた」という。

 日本は中国を孤立させ、拒否権行使を封じることを狙っており、15日からサンクトペテルブルクで開かれる主要国首脳会議(サミット)で初の議長国を務めるロシアの“抱き込み”を図っている。米国もサミットでの協力と引き換えに決議案への理解をロシアに求めているとされ、中国の出方に注目が集まっている。
by unkotamezou | 2006-07-09 05:00 | 國防 軍事