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ハイテク“日本代表”意のまま飛ぶボール サッカーW杯
ハイテク“日本代表”意のまま飛ぶボール サッカーW杯

≪変幻自在外壁フィルム≫

 サッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会が9日、開幕する。世界が注目するサッカーの祭典は、スパイクなどの選手が使用する用具や設備、放送技術など、世界の最高水準のテクノロジーが集まる場所でもある。“日本代表”は、ここでも活躍している。(今城敬之)

 「今回のボールは、これまでに比べてさらにコントロールしやすくなっている。回転をかける、かけないなど選手の意図により、忠実に反応するはずです」。自信たっぷりに語るのは競技用ボールメーカー、モルテン(本社・広島市)のグローバル本部アディダスチーム、椙浦正俊さんだ。アディダス(本社・ドイツ)製の今大会の公式球は、共同開発したモルテンの技術で大きく進化した。

 従来のサッカーボールは正五角形12枚、正六角形20枚の人工皮革を縫い合わせて作られていた。対して今大会のボールはプロペラ形の6枚と、その間を埋める8枚の計14枚。1970年メキシコ大会から公式球を提供しているアディダス社にとっても革命的なボールだ。

 枚数を減らしたのはより「究極の球体」に近づけるため。皮革と皮革の曲線のつなぎ目を可能にしたのが、モルテン社の「サーマルボンディング」という熱接合の技術だった。

 これまでは1球当たり3~4時間をかけて職人が手縫いしていたが、縫い目がなくなったことで、より均質な反発性も得ることができた。フリーキックなどで選手がボールを回してけりやすい面を手前にセットする場面もみられたが、新公式球は理論上、どこをけっても同じという。

 新公式球はイタリア・ACミランの選手らが使いやすさなどをチェック。試行錯誤を繰り返したうえで、完成品はジダン(フランス)、ベッカム(イングランド)にも実際にけってもらい、絶賛された。選手の意図通りに反応するボールは、中村俊輔らのフリーキックを武器とする日本代表の援軍にもなりそうだ。

◆◇◆

 ドイツ-コスタリカ戦で開幕戦の舞台となるミュンヘン・アレーナは、一見まゆ玉のようにみえる。W杯のために建築された6万6000人収容の新競技場で天井の一部分をのぞき、フッ素樹脂フィルムで覆われている。普段は白いフィルムが光を当てるとスクリーンとなり、競技場全体が青や赤に幻想的に輝く。フィルムを開発したのは、旭硝子(本社・東京都千代田区)だ。

 同社の堀部善久・機能フィルム部長は「言葉で伝えるのは難しいが、20年以上劣化しない耐久性と、光に対し均等に輝く白いフィルムを作るのは大変でした」と話す。

 建築には軽量のフィルムが採用され、発注を受けた同社は約1年で、光を透し、なおスクリーン効果を得られる半透明の白いフィルムを開発した。上部には天然芝の育成を妨げないため、太陽光を通す透過度が高いフィルムが使われている。

 使われたフィルムは20万平方メートル。フッ素樹脂フィルムを使った建築物としては世界最大という。堀部さんは「半透明の白を作ることによって、こんな使いかたもできると提案できた」と胸を張り、すでに世界中から問い合わせがあるという。

 ジーコ・ジャパンの目標は「世界を驚かす」こと。テクノロジーの世界でも、それは同じだ。

06/08 10:08
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by unkotamezou | 2006-06-08 10:08 | 自然 科學 技術