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ダムの恩人の偉業たたえ 八田技師生誕百二十年、台湾で墓前祭
ダムの恩人の偉業たたえ 八田技師生誕120年、台湾で墓前祭 金沢の友好の会、住民ら参列

 【台南8日宮下岳丈本社記者】台湾を訪問中の「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」(金沢市)は八日、同市出身の八田與一技師が築いた台南市郊外の烏山頭(うざんとう)ダムで同技師と外代樹夫人の墓前祭に臨んだ。技師の生誕百二十年に当たる節目の年とあって、付近の住民や行政関係者ら約二百人が参列し、日本統治時代に台湾南部の荒野を緑の農地に変えた恩人の功績に思いをはせた。

 墓前祭に参加する「友好の会」の一行には、八田技師を慕う日本人参加者が次々と合流。七十人近くに達し、日本での八田技師夫妻への関心の高まりをうかがわせた。乾期に当たる五月上旬としては珍しく、小雨となり、日本からの一行は「八田技師の涙雨ではないか」と語り、台湾の住民は「作物が実るよう、八田先生が天から雨を降らせてくださった」と述べ、それぞれ故人をしのんだ。烏山頭ダムを管理する嘉南農田水利会の徐金錫会長をはじめ、地元の行政関係者、「友好の会」の一行が次々と焼香し、墓前に果物などの供物をささげた。

 墓前祭に先立ってダム付近のホテルで技師の生誕百二十年を記念する講演会が開かれ、地元の農業関係者や行政関係者らが「八田先生の精神を学びついでいこう」と呼び掛けた。席上、八田技師夫妻をテーマにした舞台劇「水のフォルモーサ・台湾八田與一の生涯」の脚本が完成したことが紹介されると、会場はひときわ大きな拍手に包まれた。講演会に参加した蘇煥智・台南県長(知事)は講演会後の取材に対し、「(舞台劇が)台南で公演することがあれば、協力を惜しまない」と述べ、舞台公演への期待をこめた。この日は嘉南農田水利会による生誕百二十年記念パーティー、音楽会も開かれた。

 「友好の会」一行は九日、一昨年八田技師の銅像を金沢市に寄付した実業家、許文龍氏を訪ねる。
by unkotamezou | 2006-05-09 00:49 | 歴史 傳統 文化