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国宝巻物の表具損傷「藍紙本万葉集」展示替えの作業中
国宝巻物の表具損傷 「藍紙本万葉集」展示替えの作業中

 独立行政法人の国立博物館は16日、万葉集を書き写した国宝の巻物「藍紙本(らんしぼん)万葉集」の巻頭部分の表具が展示替えの作業中に損傷し、亀裂が拡大したと発表した。同博物館は国宝130点を所蔵しているが、これまで損傷の例はなかったといい、「後世に取り換えられた部分とはいえ申し訳ない。再発防止に努めたい」と話している。

 損傷したのは、「八双(はっそう)」と呼ばれる鉄の軸を包んだ絹の部分。以前から全体の半分(13センチ)ほどが破れていたが、裂け目が26センチに拡大し、わずか7ミリつながっている状態になった。

 同博物館によると、保有する京都国立博物館が、3月中旬から4月下旬まで中国・上海市内で開かれていた展覧会に藍紙本を出品した。展示品の交換日にあたる4月3日夕、東京国立博物館の男性研究員2人が、撤収作業のため藍紙本を巻いて台に乗せ、別の展示作業から戻ってきた際、損傷に気づいた。国立博物館では「作業中に何らかの負荷がかかった可能性がある」としている。

 損傷部は、100-150年前に補修のため交換されていたとみられ、鉄の酸化や絹の経年劣化ですでに弱くなっていた。書跡がある部分に影響はなく、国宝としての価値は損なわれていないというが、国立博物館では絹の部分の全面張り替えも視野に修理する予定だ。

 藍紙本は正式名称を「万葉集巻第九残巻(藍紙本)」といい、万葉集を書き写した平安時代の代表的作品の一つ。個性的で豪快な筆致が特徴で昭和27年に国宝に指定された。筆者は藤原行成の孫の藤原伊房(これふさ)が有力。

05/17 00:46
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by unkotamezou | 2006-05-17 00:46 | 歴史 傳統 文化