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訪米の早紀江さん支えた横田拓也さん「母に早く楽させたい」
訪米の早紀江さん支えた横田拓也さん 「母に早く楽させたい」

一番つらいのは姉本人、1秒でも早く返してあげたい

 【ワシントン=中村将】米下院の公聴会での証言に続き、米大統領と面会した横田めぐみさん=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(70)を陰で支えていたのは、めぐみさんの弟、拓也さん(37)だった。滞在先のホテルで母と同じ部屋に泊まり、体調管理に努めた。訪米のヤマ場となった公聴会では、母の後ろの席に座り、寂しげに写るめぐみさんの写真を掲げた。姉に対する拓也さんの思いもまた強い。

 訪米して、早紀江さんの疲労の色は濃い。「夜眠っていて、寝返りをうつだけでも体が痛いといっています」。拓也さんはそういって早紀江さんを気遣う。

 「本来ならば、家族会代表である父(滋さん)が来るはずでしたが、昨年暮れに体調を崩し、一時は重篤な状態になりました。今回は大事をとって見送ったため、母が来ました。母も七十を超え、何かあったら大変なので、同じ部屋で滞在しています」。拓也さんは在ワシントン日本商工会が主催する昼食会の席でこうあいさつした。

 米政府高官らとの面会が終わって、部屋に戻った早紀江さんがぐったりしたときは、そっと肩をもんであげた。

 めぐみさんについて必死で訴える母。公聴会で早紀江さんは、亡命工作員から聞いためぐみさんが工作船で連れ去られる場面を涙声で説明した。拓也さんは「『助けて、おかあさん助けて』というフレーズの所で母はいつも、その場面を頭に浮かべて泣きそうになってしまいます。その度に母の頭にはつらさがよぎるんです」と話す。

 米下院公聴会で初の証言。「ありがたい機会だった。一方で、またつらい思いをさせる機会でもあった」と拓也さん。早紀江さんには「早く楽をさせてあげたい」という。

 五月に予定される訪韓。滋さんと同行する早紀江さんは、米国から帰国して間もない時期に再び飛行機に乗ることになる。「母を思うと行ってほしくない。でも、姉のことを思うと行ってほしい。複雑です」

 めぐみさんが生まれてくる前、「拓也」という名前が用意されていた。両親は男の子が生まれてくると思っていたからだ。その名前はめぐみさんの双子の弟の一人につけられた。それが拓也さん。もう一人の弟、哲也さん(37)は今回、日本で滋さんの体調に気を配っている。

 めぐみさんは小さいころから双子の弟をかわいがり、弟たちはめぐみさんを慕った。拓也さんはいう。「こんなに長い間、家族はつらい思いをしている。でも、一番つらいのは姉本人なのです。一秒でも早く返してあげたい」

 米政府高官や議員にはこうした思いが伝わった。その思いを日本でも伝えたいという。「文明社会の常識を超えた北朝鮮の非礼な、無礼な対応が続いています。日本国民全員が自分に課せられた問題として、拉致問題を考えてほしい」。拓也さんはそう語る。
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by unkotamezou | 2006-04-29 05:00 | 國防 軍事