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H2A9号機、打ち上げ成功 国際市場へ軌道乗る
H2A9号機、打ち上げ成功 国際市場へ軌道乗る

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は十八日午後三時二十七分、鹿児島県の種子島宇宙センターからH2Aロケット9号機を打ち上げた。9号機は二十八分後に運輸多目的衛星新2号「MTSAT2」を分離、予定の軌道に投入し、打ち上げは成功した。MTSAT2は、昨年二月に打ち上げたひまわり6号とともに航空管制を担い、気象観測では6号のバックアップ機となる。(日野稚子)

 JAXAは同日午後四時三十一分、MTSAT2の太陽電池パネルの一部が予定通り展開し、正常に機能していることを確認した。順調なら五日後に高度約三万六千キロの静止軌道に移行、「ひまわり7号」と命名される予定。

 一月二十四日に陸域観測技術衛星「だいち」を搭載したH2A8号機を打ち上げたばかりで、JAXAは初挑戦となった一カ月以内の二度の打ち上げを成功させた。「射場整備や作業員の習熟度が上がった」(JAXA)としており、衛星打ち上げの国際市場参入を目指すうえで、柔軟なスケジュールを組めることをアピールできた。

≪3回連続≫

 今回は、国内打ち上げ史上で最重量(四・六三トン)の衛星打ち上げでもあった。このため、固体ロケットブースターのほかに四本の固体補助ロケットを装備し、H2Aとしては打ち上げ能力を最大限に発揮する形態を採用した。

 平成十五年十一月のH2A6号機の失敗以降、JAXAは総点検に取り組んだ。その成果が、昨年二月の7号機から三回連続の成功に結びついた。能力の増強も達成できたことで、H2Aの技術は信頼回復への軌道に乗ったといえる。

≪航空管制≫

 ひまわり7号となる衛星は、同型の6号とともに国土交通省の新規航空管制システムを担う。赤道上空の静止軌道から二基態勢で航空機の位置を把握し、安全航行と便数増に貢献する。平成二十二年六月ごろには6号から気象観測を引き継ぐ。衛星や観測機器のトラブルがあっても、気象観測の空白は避けられる。

 今回の打ち上げは、民間の「ロケットシステム」が国交省と気象庁から受託し、JAXAへ委託して行われた。同社は来月には解散し、民間衛星打ち上げサービスなどは三菱重工業へ引き継がれる。信頼回復の軌道に乗ったとはいえ、H2Aの実績は欧州などに遠く及ばない。今後も着実に成功を重ねることが不可欠で、関係者は「二十回程度の連続成功」を目標に掲げる。
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by unkotamezou | 2006-02-19 05:00 | 自然 科學 技術