ブログトップ
皇室典範 首相、改正案を断念 慎重論強く混乱回避
皇室典範 首相、改正案を断念 慎重論強く混乱回避

 小泉純一郎首相は九日、女性・女系天皇を容認する皇室典範改正案の今国会提出を断念した。複数の政府筋が明らかにした。秋篠宮妃紀子さまのご懐妊により、政府・与党内に慎重論がいっそう強まったことを受け、国政の混乱を回避するためにも提出は困難だと判断したものとみられる。これによって、小泉政権下での改正の動きは“凍結”されることになった。

 政府筋によると、首相は九日午後、安倍晋三官房長官と首相官邸内でひそかに皇室典範改正案の取り扱いを協議した。

 首相は、紀子さまが無事に出産されるまでは、国論の深刻な対立を避けるためにも、皇位継承問題をこれ以上、政治の場で取り扱うべきではないと判断。今国会での法案提出を断念する考えを伝えた。

 この後、首相は、自民党の武部勤幹事長を官邸に呼び、皇室典範改正について「政争の具にすることなく皆が一致することが望ましい」と述べた。

 自民党内では皇室典範に関する勉強会などが予定されているうえ、改正慎重派の国会議員が議員連盟を立ち上げる動きをみせていることも懸念し、慎重な対応を促したものとみられる。

 首相はさらに、山崎拓自民党元副総裁とも会い、「国論の分裂は望ましくない。全会一致が望ましい」と述べた。ただ、首相は記者団には、「よく議論すれば改正が必要だという認識になる」と語り、法案提出断念が苦渋の決断だったことをにじませた。

 皇室典範改正をめぐっては、自民党内で賛成派と慎重派が激しく対立。先月末、麻生太郎外相や中川昭一農水相ら有力閣僚が相次いで慎重な意見を表明したこともあり、「首相が法案提出を強行すれば政権を揺るがす事態になりかねない」(閣僚経験者)との見方が広がっていた。

 首相は九月に退任する意向だが、安倍官房長官や麻生外相をはじめとする「ポスト小泉」候補の多くは、改正そのものに消極的だ。このため、次期政権で再び皇室典範の改正論議が浮上するかどうかは不透明だ。

 首相が提出を断念したことで、ひとまず政局が回避されることになったが、今国会では、他に党内対立を招くような重要法案の提出は、予定されていないため、「逆に緊張感が欠け、急激に政権の求心力が低下するのではないか」(自民党中堅)との見方も出始めた。

 ライブドア問題などの内政の不安定要因に加え、対中国、北朝鮮外交、米軍再編などの外交・安全保障問題も手詰まり状態にあり、各種世論調査では政権支持率が漸減傾向を示している。このため、予算成立後は本格的に「ポスト小泉」レースに突入する可能性もある。
[PR]
by unkotamezou | 2006-02-10 05:00 | 皇室