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皇室典範改正 首相意欲/慎重論は拡大 安倍氏、板挟み
皇室典範改正 首相意欲/慎重論は拡大 安倍氏、板挟み

 小泉純一郎首相が今国会成立を目指す女系天皇容認の皇室典範改正に対し、自民党では二日、各派総会などで「国論が分裂するのは避けたい」などの意見が相次ぎ、慎重論の拡大が鮮明になった。官邸サイドでも「党でよく議論を」と慎重な言い回しに終始する安倍晋三官房長官と、積極的な首相の間に改正問題が微妙な影を落としている。党内からは「国会提出を強行すれば政権が揺らぎかねない」(津島派幹部)との声さえ出始めた。

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 小泉首相の「改正へのボルテージが高まった」(首相周辺)のは、「皇室典範に関する有識者会議」(座長・吉川弘之元東大総長)のメンバーらと一月二十六日夜に行った会食以降だ。

 関係者によると、メンバーから「皇室を安定的に存続させるには改正以外ない」「反対するなら対案を出すべきだ」などの意見が相次ぎ、慎重論を唱えたのは安倍官房長官だけ。黙ってうなずきながら聞いていたという首相だが、成立への決意を新たにしたようだ。

 首相は翌二十七日夕、記者団に「女系天皇を認めないということは、仮に愛子さまが天皇になられたときにそのお子さまが男子でも(皇位継承権を)認めないということだ。それを分かって反対しているのか」と、女系天皇反対派を批判。平沼赳夫元経済産業相(無所属)が今月一日、改正慎重派集会で「国会が二つに割れ、罵(ののし)り合うことはあってはならない」と述べたのに対しては「罵り合いにはならない。よく議論していけば多くは賛成に回る」と反論した。

 これに対し、安倍氏は「国会提出前に自民党、与党でしっかり議論していただきたい」「自民党に慎重論があることは承知している。提出前にしっかり議論していただきたい」など慎重姿勢をのぞかせる。安倍氏は担当相として自民党に改正案を説明し、国会答弁を担う立場だけに、首相が“前のめり”になればなるほど、厳しい立場に追い込まれかねない。

 一方、自民党では「日本会議」(会長・三好達元最高裁長官)などが進める拙速な改正に反対する国会議員の署名に百三十五人が名を連ねた。久間章生総務会長が二日、党本部で記者団に「世論の動向としては、愛子さまが誰かと結婚して生まれた子供が無条件で(皇位継承に)いくかとなると、そこまで認めていないのではないか」と述べるなど党幹部にも慎重論が広がっている。

 この日の各派総会でも、伊吹文明元労相が「国の根幹にかかわることを軽々に行ってはならない」と男系継承維持の意見書を配布。高村正彦元外相も「議論が熟していない」と述べた。山崎派では「典範改正で天皇の権威が台無しになってはいけない」との意見が出され、谷垣派や二階、河野両グループでも慎重論が多かった。

 さらに先の衆院選で初当選した“小泉チルドレン”有志が、改正反対の旧皇族子孫、竹田恒泰氏を講師に勉強会を開催。十六人が「慎重審議」を求める意見書を首相らに提出することを決めた。

 こうした中、首相の出身派閥の森派では、森喜朗元首相が「立場をわきまえてほしい」と慎重派議員を牽制(けんせい)。党内閣部会は近く「有識者会議」報告書の議論を始めるが、党政調幹部は「改正をやめさせる場ではない」と強調した。
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by unkotamezou | 2006-02-03 05:00 | 皇室