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皇位継承「分かりやすく安定」強調
皇位継承「分かりやすく安定」強調

議論のポイント

 「皇室典範に関する有識者会議」が示した最終報告書には、女性・女系天皇の容認、長子優先、女性宮家の創設など、新たな皇室像を描いた提言が打ち出された。そのポイントは-。

◆皇位継承資格

 これまで皇位を継承してきた男系男子について、かつては、いわゆる側室の存在を前提にした「非嫡系」が大きな役割を果たし、結婚も若年であったため、傾向として出生数が多かった。このため維持は可能だったと指摘している。

 しかし、現行の皇室典範制定を機に、継承資格は嫡出子のみに限定。急速に進む少子化は皇室をも例外ではないとし、男女の出生という偶然性に左右される制度は安定的なものではないとした。

 そのうえで、女性・女系の皇族に継承資格を拡大した場合、格段に安定的な制度になるとし、女性であるがゆえに象徴としての活動に支障はないと主張。世論調査における国民の支持も背景とした。

 女系天皇に対する正統性の疑問については、皇統による皇位継承が維持され、幅広い国民の積極的な支持が得られる制度である限り、揺らぐことはないとしている。

◆皇位継承順位

 女性天皇を認めた場合、兄弟姉妹間での継承順位のつけ方も考慮される必要がでてくる。

 報告書では、国民が将来の天皇として、幼少時から期待をこめて、その後の成長を見守ることのできるような、分かりやすく安定した制度であることが求められ、ご養育の方針が早い段階で定まるということにもつながるとした。このため性別を問わない長子優先を適当としている。

 男子優先の場合、最初に女子が生まれ、しばらくして男子が生まれると、皇太子が交代することになり、不安定になるという。

 現在の日本社会では、兄弟姉妹間では男子が家を継ぐのがまだ一般的で、天皇が男性であることに国民がなじんでいる面はある。しかし、最終報告は「分かりやすく安定した制度」を強調し、性別を問わない長子優先を望ましいとした。

 この方式でいくと、今後、皇太子ご夫妻に男子が生まれても、愛子さまが皇太子さまの次の天皇ということになる。

◆皇族の範囲

 戦前は多くの宮家があり、天皇家の万一に備える役割を担っていたが、敗戦とともに十一宮家五十一方が皇籍離脱を余儀なくされた。これが男系男子減少および皇族方の減少へとつながっている。今回、女性皇族にも皇位継承の道を開いたことで、婚姻後も皇族の身分にとどまり、その配偶者や子孫も皇族とすることが必要になる。これまで男性皇族にしか認められていなかった宮家創設・継承が女性皇族もできるということになる。当初、皇族が限りなく増加していくことに財政的な観点から世数限定策も考えられたが、やはり出生数は常に安定的とは限らないことが予想され、永世皇族制が採用された。

 皇籍離脱についても、現典範では、内親王には自らの意思による離脱が皇室会議の議決で認められている。女子にも継承資格が認められれば、親王同様意思による離脱ができないことになる。



▼ 皇室典範に関する有識者会議

 皇位継承を安定的に維持する観点から、継承制度などを定めた法律「皇室典範」の改正を検討するため、小泉純一郎首相の私的諮問機関として今年1月に発足した。継承資格を「男系男子」に限定した現行制度のままでは将来的に継承資格者がいなくなるとして、女性、女系天皇を認めることの是非や継承順位の見直しについて議論。皇室制度などの専門家8人からヒアリングを行った。委員は吉川弘之座長(元東大総長)ら計10人。

▼ 親王と内親王

 天皇の子と孫にあたる男性皇族を「親王」、女性皇族を「内親王」と呼ぶ。皇太子さま、秋篠宮さまが親王、皇太子ご夫妻の長女愛子さま、秋篠宮ご夫妻の長女眞子さま、二女佳子さまが内親王。天皇の3世より離れた子孫で男性は「王」、女性は「女王」。寛仁さまの長女彬子さま、二女瑶子さま、高円宮妃久子さまの長女承子さま、二女典子さま、三女絢子さまは女王。また皇太后は天皇の生母、太皇太后は天皇の祖母で皇后であった方を指す。

▼ 旧皇族 

終戦後の昭和22年10月に内廷皇族と秩父宮、高松宮、三笠宮の3直宮家を除く11宮家(山階宮、賀陽宮、久邇宮、梨本宮、朝香宮、東久邇宮、竹田宮、北白川宮、伏見宮、閑院宮、東伏見宮)が、現行の皇室典範に基づき皇籍を離脱した。これらを旧皇族という。現在の天皇との関係は、約600年前にさかのぼる室町時代の伏見宮貞成親王を共通の祖先とするという。
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by unkotamezou | 2005-11-25 05:00 | 皇室