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日露講和条約の舞台「ポーツマス」は残った
米軍基地統廃合 日露講和条約の舞台 「ポーツマス」は残った
背景に中国の海軍増強

【ワシントン=有元隆志】米国内にある米軍基地の統廃合を検討する「基地閉鎖・整理委員会」(BRAC)は、国防総省が閉鎖方針を決定したポーツマス海軍工廠(こうしょう)(メーン州)などの存続を大統領に勧告することを決めた。同工廠存続の決め手の一つは、一九〇五年の日露講和条約の舞台となった歴史的施設という点ではなく、中国の海軍力増強にあった。

 BRACは、国防総省が今年五月に策定した六十二カ所の主要基地の閉鎖や縮小、七百七十五カ所の部分的閉鎖の計画案の是非を討議してきており、二十四日から今週いっぱいにかけては、九月八日までの勧告に向けて最終討議に入っている。

 基地の廃止、縮小は基地従業員の雇用に直結するだけでなく、地元経済にも大きな影響を与えるだけに、討議の行方は米国内で注目されている。

 最終討議では国防総省の方針を支持、多数の基地などの閉鎖、縮小を勧告することになった。

 だが、ポーツマス海軍工廠については七対一の大差で、ニューロンドン潜水艦基地(コネティカット州)などとともに国防総省案を覆し、存続を勧告することにした。

 メーン州とニューハンプシャー州にまたがるポーツマス海軍工廠は、一八〇〇年に開設されていて米国で最も古く、日露戦争の講和交渉も工廠の一室で行われている。現在も約四千五百人の従業員が原子力潜水艦の修理などに当たっている。

 BRACのアンソニー・プリンシピ委員長は二十四日の会議終了後、存続とした理由について、「アジアからの脅威」を指摘し、中国の海軍力増強に対応するためには、「二つの施設を閉鎖すると、再び開設することはできない。あまりに危険過ぎる」と説明した。

 存続方針決定に地元は沸き返っており、工廠の従業員たちは「サンキュー、BRAC」の横幕を掲げて行進した。

 一方で、同じく歴史的建造物ながら閉鎖勧告が決まった施設もある。

 首都ワシントンにあるウォールター・リード陸軍病院はトルーマン、アイゼンハワー、レーガンといった歴代の米大統領や、チャーチル元英首相らも治療を受けた歴史を持ち、今もイラク戦争で負傷した兵士らが入院しているものの、ワシントン近郊の海軍病院に統合されることになった。

 BRACは九月八日までに大統領と議会に勧告書を提出する。大統領は答申内容の変更はできず、承認するかしないかの二者択一を迫られる。承認されない場合、BRACは再度、勧告を行う。その後、議会も承認するかしないかの二者択一を迫られ、大統領は結果に関しては拒否権を持つ。
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by unkotamezou | 2005-08-27 05:00 | 國防 軍事