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沖ノ鳥島灯台を具体化 海保検討 海図記載で領土明確に
沖ノ鳥島灯台を具体化 海保検討 海図記載で領土明確に

 海上保安庁が、日本最南端の沖ノ鳥島(東京都小笠原村)に灯台を建設する方針を固め、具体的検討に入ったことが二十三日、分かった。島の近海は年間約四百四十隻の商船が通過し、座礁事故も起きているため、必要と判断した。灯台設置で、海図などに「沖ノ鳥島灯台」と記載され、日本の領土であることが国際的に明確となる。

 設置する灯台は、日中の太陽光発電で蓄えた電力を利用し、夜間だけ投光を発するタイプ。島の環礁内に国が建設し管理している高床式の作業基地(床面高さ約十五メートル)に建つ三階建ての居住棟(高さ約十メートル)の屋上に、高さ約三メートルの軽量型の灯台を設置することを検討しており、総工費は一億数千万円を見込んでいる。来年度予算の概算要求に盛り込みたい考えで、来年度中の完成を目指す。

 高床式の作業基地は南北に四十メートル、東西に二十メートルあり、台風時の高波に耐えられるよう設計。居住棟の屋上に備え付けられた灯台の光源は二十八メートルの高さになり、強靭(きょうじん)な基礎と高さを持った灯台と同じ機能を持つことになる。

 同庁が今春、沖ノ鳥島の半径約五十四キロ(三十カイリ)を通過した商船数を調査したところ、年間約四百四十隻になることが判明。最近十年間で四件の座礁事故が起きていた。沖ノ鳥島から二十キロ程度光が届く灯台を設置することで、付近を航行する船舶の助けになると判断した。

 居住棟の屋上には海象観測用レーダーが今年六月に設置されており、干渉を避けるため、電波(マイクロ波)を使った電波標識ではなく、光を発する光波標識の灯台とすることにした。

 海洋船舶事業などを行っている日本財団が三月、沖ノ鳥島に調査団を派遣。参加した海上保安庁OBの国際航路標識の専門家が、作業基地の最上部に航路標識を設置することが最適との報告をまとめていた。

 沖ノ鳥島をめぐっては、中国が「岩だ」として、周囲二百カイリの日本の排他的経済水域(EEZ)を認めず、事前通告のない違法な海洋調査活動を活発化させている。

 灯台の設置で、海図や灯台表に「沖ノ鳥島灯台」と記載されるほか、船舶の航行という経済活動を助けることになり、国連海洋法条約が「島」と定義するための「人間の居住または独自の経済的生活の維持」を、より実践することになる。

≪沖ノ鳥島≫

 紀伊半島の真南にあり、東京から約1700キロ離れた無人島。東京都小笠原村に属するが、小笠原諸島の父島から約1000キロ離れている。島全体は東西に約4・5キロ、南北約1・7キロ、周囲約12キロの長楕円(だえん)形のサンゴの環礁。しかし、波の浸食により大部分が水面下にあり、常に海面に出ているのは北小島(平均海抜約1メートル)と、東小島(同約90センチ)だけとなっている。国は、浸食から両小島を守るために、昭和62年から3年かけ護岸工事を行い、その後、設けた作業基地で気象・海象観測を続けている。
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by unkotamezou | 2005-08-24 05:00 | 國防 軍事