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高松塚古墳 解体 文化庁検討
壁画、樹脂で漆喰固定 高松塚古墳 解体 文化庁検討

石壁は人力で搬出

 高松塚古墳(奈良県明日香村、国特別史跡)の国宝壁画を保存するため、石室解体の方針を打ち出した文化庁の「国宝高松塚古墳壁画恒久保存対策検討会」の作業部会が二十三日までに、解体の際に絵の下地の漆喰(しっくい)が崩落しないように樹脂で固定する方法を有力な案として検討していることが分かった。石室の解体は滑車を使って人力で行うことも含めて、壁画を守るための最良の方策の検討が続けられている。

 解体案で最も大きな課題となっているのが、石材を移動させる際の振動による壁画の崩落。樹脂による漆喰の固定は、壁画発見後の修復作業ですでに行われて効果は実証済み。ノウハウがあり、確実性が高いことから選ばれたとみられる。

 しかし、昭和五十一年から行われたこの修復作業は、極めてもろい部分に限定。飛鳥美人や男子群像など大半の壁画は、漆喰面に無数のひび割れがあり、薄いかさぶた状になっている。現在でも少しの振動で、「クッキーのかけらが落ちるようにポロポロ崩れる」(関係者)可能性が高い。

 このため、現状で石室を解体すれば、壁画の描かれた漆喰が崩れることは確実で、研究者の間から不安の声が上がっている。

 当時、高松塚壁画を樹脂で修復した増田勝彦・昭和女子大教授(文化財保存修復)によると、漆喰を全面的に石壁に固定させることは技術的に可能で、噴射の力を弱めたスプレーで樹脂を吹きつける方法もあるという。

 一方、石室の解体をめぐっては、作業の際の衝撃をやわらげるため、一枚の重さが一-二トンある石壁を、滑車を使って人力で持ち上げる方法が検討されている。

 高松塚と同じように漆喰に極彩色壁画が描かれ、昨年夏からはぎ取り保存が始まったキトラ古墳(同村阿部山)の場合、漆喰自体は比較的丈夫な状態で、全体が石室から浮いていた。このため壁画の描かれた漆喰の表面に化学繊維(レーヨン紙)を何重にも張って浮いた部分を固定、上からプラスチック板を添えて、針などで慎重に取り外す方法が取られた。

 高松塚では漆喰が細かくひび割れているため、こうした固定や補強ではばらばらになるおそれが極めて強い。このため全体に合成樹脂を吹き付けて現状のまま固定する方法が有力視されている。
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by unkotamezou | 2005-04-23 17:55 | 歴史 傳統 文化