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平成の二二六事件 一色正春氏が語る尖閣ビデオ事件の真相

 平成22年9月7日に尖閣諸島沖で発生した海上保安庁の巡視船と支那漁船との衝突事件。海上保安庁は同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕那覇地検石垣支部に送検したものの那覇地検はわが国国民への影響や今後の日支関係を考慮したと処分保留を決定支那に送還した。

 海上保安庁はその衝突の様子をビデオで撮影していたものの政府は支那への配慮から映像の全面公開には踏み切らずにいた。そんな中11月4日夜に YouTube にアップされたのが衝突事件の概要を示した動画である。sengoku38 という ID によって投稿された動画では支那漁船とみられる船が海上保安庁の巡視船とみられる船に衝突する模様が映されていた。

 機密とされていたこの動画を YouTube にアップしたのは当時神戸海上保安部の現役保安官だった一色正春氏。この件で警視庁は平成22年12月一色氏を国家公務員法の守秘義務違反容疑で書類送検。だが東京地検は1月入手経緯や流出目的が悪質でないことや一色氏が停職12カ月の懲戒処分を受けて退職したことを踏まえ起訴猶予とした。

 一色氏の行動には本来公開すべき情報を明るみにしたと賞賛する声がある一方機密を守らなかったことは公務員のあり方から逸脱していると非難する声もある。

 一色氏はどのような思いから映像の公開に踏み切ったのだろうか。手記『何かのために sengoku38 の告白』を出版するにあたり2月14日に日本外国特派員協会で行った会見の模様をお伝えする。

● 海上保安庁での仕事

一色 おそらくみなさまは私のことをあまりご存じないと思いますので最初に自分自身のことを話します。私は昭和42年京都市で生まれました。15歳の時に船乗りを志しそのための学校に入るために親元を離れました。そこは全部で5年半で最初の4年半は机上の勉強最後の1年は帆船を含む練習船に乗って1年間国内外のいろんなところを回りました。学校を卒業してからも外国航路の商船に乗って約5年間世界各国を回りました。それから船を降りサラリーマンなどを経て約30歳で海上保安庁に入りました。

 私が行ってきた海上保安庁での仕事は一貫して船に乗るもので警備救難業務に従事していました。仕事の内容はあまり詳しく言うとまた国家公務員法違反で捕まりそうなので(会場笑)そこは伏せておきます。ここからはみなさまご存じだと思いますが平成22年12月に退職して現在に至っています。

 みなさまの中にも海上保安庁と海上自衛隊を混同されている方がいらっしゃるようです。先ほども海上自衛隊の方ですかと聞かれて違いますと答えました。日本は国土は狭いのですが領海や排他的経済水域を含めるとかなりの広さになります。これを守っているのが海上保安庁です。

 当然国境警備隊という性格の仕事も兼ねています。現在日本はいくつかの領土問題を抱えています。最近はそれに加えて尖閣諸島にもそういう問題を作ろうという動きが出てきています。その国は南支那海で行ったような方法で日本に侵略を開始したとも受け取れるような行動をしています。平成22年9月に起こって私が11月に流したビデオを見ていただけるとその一端が少しは分かると思います。おおよそ私の考え得る限り漁船がああいう感じで衝突するということは考えられないことでした。

● 国民が求めているのは真実の報道

一色 これからは私の個人的な考えを述べさせていただきます。今21世紀という時代を迎えていわゆる国際紛争を武力で解決しようという動きを私は感じています。本当に尖閣諸島が自国の領土であると思うのであれば証拠などに基づいて言論で争うべきであると私は考えています。

 世界は過去の反省から国際司法裁判所など武力によらない紛争の解決手段を考え出しました。それは過去において武力で解決しようとした結果が空しいものであるということを我々人類が十分に学んだからだと思います。私を含む多くの日本人は国際紛争を平和的な方法で解決したいと思っています。

 しかしその半面最近日本周辺の諸外国の動きを見ていると力には力で対抗するという考えを持つ人が増えてきたように感じています。現在の日本は相手が話し合いで来れば話し合いで応えるでしょう。反対に力で来れば力で押し返そうとするかもしれません。私は個人的にそういう解決方法を望みませんがこれは相手次第です。攻められれば守るというただ単純な理屈です。

 そこでみなさまにお願いがあります。もし日本と他国との間に争いが起こった時片方の言い分だけではなく日本の言い分もぜひ聞いてください。なぜかと言うと日本が長い方はご存じだと思いますが日本には自らのことを多く語らないということを美徳にする文化があります。それにより過去にいろんな失敗をしたケースがあります。

 現在日本においてみなさまのような海外メディアの注目度が高まっています。自国のニュースでも海外のメディアを通じて情報を得ようとしている人が最近多くなっています。それは信頼度の問題です。

 具体的な例を挙げると平成22年に日本各地で起こった反支那デモに対する報道姿勢などを見ていると我々国民は数ある選択肢の中から誰が本当の情報を流しているか誰が流さずにいるかということに気付き始めています。それを見極めて正しい情報のみを取捨選択することに多くの人が気付き始めています。これは考えようによっては海外メディアのみなさまにとっては大きなビジネスチャンスかもしれません(会場笑)。

 いずれにしろ我々国民が求めているのは真実の報道です。あの事件に関してもなぜビデオが機密になっているのか誰の手によってあのビデオが公開されなかったのかそういうことをみんなが知りたがっています。もしメディアがそれを明らかにすることができれば恐らく日本国民から絶大な信頼を得ることになります。あの漁船の船長のインタビューでもとれればかなりの注目を集められると思います。

 最後になりますがみなさまにもう1つだけお願いをしておきます。春になってあの尖閣諸島で起きる出来事を第三者の目で公平客観的に全世界に向けて報道していただきたいと思います。

● 石原都知事も出席

 一色氏が事件後に初めて行った記者会見とあって会場となった日本外国特派員協会には海外メディアだけでなく日本のメディアも多く詰めかけた。またメディア以外にも東京都知事の石原慎太郎氏も出席一色氏にさまざまな質問を投げかけた。

なぜ sengoku38 というハンドルネームで動画を投稿したのですか また日本のメディアについてどのような印象を持っていますか

一色 sengoku38 に関しては一貫して秘密にしています。ちなみに捜査当局や家族弁護士にも言っていません。今後発表する予定もありません。まあ1つくらい秘密が残った方が事件が忘れられない感じになるという気持ちがあります。あんまり気にしないでくださいと言えば逆に気になるでしょうけどそれが狙いなので。

 もう1つメディアに対する不満ですが私もこういう事件が起きるまではメディアというのは常に正しい報道をしていると思っていたのですがいろいろ推測や憶測でいろんなことを書かれたり発言されたりしました。最初のころはいろいろと反論を考えていたのですがそのうち面倒くさくなりました。具体的に何があったかということは『何かのために sengoku38 の告白』を読んでいただいたら分かるようになっています。

ハンドルネームの sengoku38 は悪いやつは仙石さんやと京都弁でジョークを言っているのではないですか

一色 ご想像にお任せします。

産経新聞の引用ですが一色さんの行為に対して自民党の谷垣禎一総裁が映像流出を擁護する人もいるが国家の規律を守れないのは間違っているとコメントしています。二二六事件でも将校の若い純粋な気持ちを大事にしないとという声があり最後はコントロールできなくなったと昭和11年のクーデターと対比するようなコメントをしていますがこれについてどうお考えですか また一般論として日本の公務員や外務省自衛隊も含めてですがもし政府が反日的あるいは売国的な政策をやっていると判断した場合はその命令に反しても行動を起こすべきとお考えですか

※二二六事件 軍部の方針に不満を持つ陸軍の皇道派に属する青年将校たちが昭和11年2月26日に起こしたクーデターのこと。岡田啓介首相らを襲った。

一色 まず1つ目の質問ですが機密というのはみなさまがあれを見て機密と感じられるかどうか逆に私のほうから質問したいくらいです(会場笑)。本当に機密であるのなら日本の公共放送各社がみんな私の共犯になってしまいます。

 クーデターとおっしゃいましたが政府は転覆されなければいけないような何か悪いことをしているのでしょうか。二二六事件の青年将校と比べられるのはある意味光栄ですが私はご存じの通り一滴の血も流していません。これをもってクーデターと言うのであればちょっと大げさな気がします。

 2つ目のご質問ですが公務員がいかにあるべきか。これはいろいろ議論のあるところだと思います。よく言われるのは第二次世界大戦当時ナチスドイツの命令を聞かなければならなかった兵士たちはどういう気持ちだったのかそういうところまで考える必要があると思います。

 私が考えていることを人に押し付けることはしたくないので私の個人的な考えだけを申します。私自身はいろいろ考えて政府命令ではありますが本当にこれが国のため国民のためどちらがウエイトが重いかという観点で判断して今回の行動に至りました。

このビデオを流してご本人は当然ですが家族の生活や考え方も変わったと思うのですがそのあたりについてどのように考えられているか教えてください。

一色 まず私の家内のことを話します。当初は非常に驚いていました。しかし私を責めることなく私を信じてついてこいと半ばあきらめたような感じでした。結婚してもう10年近くになるのですが改めてそういう見直せる機会があって良かったと言ったらおかしいのですがそういうことがありました。

 子どもに関しては意外と聞き分けが良く(引越しで)友達と別れていったのですが1つ引越しすることによってポケットモンスターというアニメを見られなくなって3日3晩泣かれたことだけがちょっと父親としてふがいなさを感じています。あとは家族4人でおおむね楽しく暮らしています。

一色さんが YouTube に投稿された動画は編集されたものですが編集される前の動画はどんな内容だったのでしょうか

一色 編集されていたというのはある目的で編集されていたんだとは思います。編集前のものがあれば恐らく私はそれを使用したと思いますが残念ながら私の手元にはありませんでした。

 残りのビデオの内容についてですがはっきり言って私は知りません。知っていてもこの場でしゃべるとまた身に危険が及ぶので知らないということにしておきます。私が聞いているうわさでは(支那漁船の船長が)激しく抵抗したシーンが映っているという説おとなしく捕まったという説その2つの説を聞いていますが真相は定かではありません。できることならみなさまの力でそれを明らかにしてほしいと思います。

石原慎太郎都知事 2つ質問させていただきます。あなたの愛国的な行動に国民を代表して心からの敬意と感謝を申し上げます。売国奴の集まりのような内閣が愛国者を告訴したり起訴したり告発したりすることができるわけがない。私は国民の声なき声が政府を暗に動かしたと思うのですがあなたが退職するという残念な結果になったことはきわめて遺憾です。1つ目の質問はあなたが自分がもし起訴されたならば見てもらいたいビデオがあるとあるメディアに言われたと聞きますがそれはどういう内容のビデオなのでしょうか

一色 まず都知事にいろいろおっしゃっていただいて返す言葉がなく恐縮します。一応退職というのは私なりに組織のルールを破ったけじめなのでみなさんが考えておられるほど後悔も何もしていません。

 ご質問ですが起訴ではなくて逮捕されればビデオが出るという話でした。その内容は1月21日に大阪の讀賣テレビで放映されています。それは私が出頭する前の11月8日にもし逮捕されて私の真の声が届かなければということでインタビューを受けていたものです。

石原慎太郎都知事 尖閣諸島の魚釣島に私が実は最初に灯台を作ったんです。ただ当時の外務省は時期尚早ということで海図に載せませんでした。それだと危険だということで息子が国交大臣になった時に言って灯台が海図に載りました。第2の質問はですね国会議員が国政調査権を使って尖閣諸島に行こうとした時海上保安庁はどこまで協力してもらえますか 有力な元職員として海上保安庁の心構えを確かめさせてください。

一色 まず安全面で1つ付け加えて言っておきたいことがあります。これは領土や領海の問題とは別に現実に数年前あそこで数万トンの貨物船が座礁しています。その時はある意味灯台をもっとたくさん作るチャンスだったのですが残念ながらあまり報道されていませんでした。

 都知事のご質問ですが海上保安庁にもいろんな考えがありまして霞が関海上保安本部実際に船に乗る者とでは必ずしも一致していないと思います。これは恐らくではありますが船に乗っている者は間違いなくぜひ協力するという意見で一致していると思います。

 もし海上保安庁が協力しないと言うのであれば防衛省というのもあります。ほかにも水産庁何よりも都知事であれば東京都の船がたくさんあると思います(会場笑)。いずれにせよ行く方法はたくさんあると思います。あとは行こうという気持ちだけです。

● なぜ YouTube に投稿したのか

講演の中で日本と領土問題を抱える国をある国と言って実名を出さなかった理由は また支那が日本を抜いて GDP 2位になったがそれについてどう思うか 日本と支那がうまくやっていくにはどうすればいいか

一色 ある国とあえて言った理由はみなさまの想像力で考えていただければと思います。

 GDP に関しては私個人としてはあまり関心はありません。物質的な豊かさだけでなく精神的な豊かさというのがあると思うので2位だとか3位だとかそんなことに感想はありません。

 また支那の方にお話しできるのであればぜひ支那政府の方から日本政府に圧力をかけてあのビデオを公開しなさいと言っていただきたいと思います。支那政府は逮捕時に船長が殴られたとかおっしゃっているようなのでぜひ真実が明らかになればいいと思います。

尖閣のビデオを公開したことによってあなたの世界平和についての考え方に変化はありましたか

一色 特に変化はありません。私もペルシャ湾に行った経験から実際の戦争も見ているのでああいう事件が起こったから考えが変わるということはありません。

なぜ YouTube で映像を公開したのですか

一色 YouTube というのは自分1人で最初から最後までできるということが1つのポイントです。メディアに持ち込んでしまうとある程度他人に下駄を預ける形になります。一度それも試しましたがやはりダメだという結論に至りました。

 また恐らくテレビ局では44分間流すことは難しかったと思います。あのような形でただ漠然とビデオを流すとそのことによってこれが本物かどうかと客観的な目でいろんなことを考えられると思います。テレビ局だとどうしても解説者がいろいろ解説しますので。見る人見る人で感想が違う考えが違うそれこそがいいのだと思います。

 あのビデオを見ても日本の巡視船がぶつかってきたと言う意見もありますし私はその意見に同意はしませんがある意味尊重します。いろいろ理由はまだありますけどそういうわけで結果的にはまあ良かったと思っています。

一色さんの存在が政治的に悪用される危険性についてどのようにお考えですか。また一色さんが政治家になることはありますか

一色 悪用されるというのはおそらく2月9日の出来事をおっしゃっていると思うので事実関係を説明させていただきます。

 いろんな新聞などを見ているとちょっと内容が違います。ある議員が私に対する署名の名簿を集めていただいてそれを受け取りに行ったという話が事実です。受け取った場所も国会と書いていますが正しくは議員会館です。

 当然私がそこに行くとどんなやつだろうという感じで人が集まってきました。やっぱり集まれば話を聞きたくなるというのが人情だろうと思います。そこで無視して帰るというのもおかしいことなのでただ単にそういう会話を繰り返しただけで報道されているように私が国会議員の方に講演したということはありません。

 そういう報道のされ方を見ているとこれはよっぽど自分がしっかりしなければという気にはなります。高名な方々とお会いして先ほどの都知事のように褒め上げていただくのでどうかとすれば有頂天になりそうな感じになりますが事件前の初心を忘れないように自分の足もとをしっかりと見てこれから生きたいと思います。

 (政治家になるかと問われて)そういう話は今のところあります。考えることもあります。

YouTube に動画をアップしたからといって必ずしも拡散するわけではないと思います。尖閣の動画は平成22年11月4日の21時ごろアップされ Twitter で最初に言及されたのが24時くらい3時間くらいは見る人がいなかった状態が続いていたと思います。動画の拡散についてどのように考えていらっしゃったのでしょうか また拡散しなかった場合別の方法は考えていましたか

一色 その速さは予想していたより速かったというのが正直な感想です。でも本物ですから1-2週間すれば必ず広がるとは思っていました。万が一失敗した場合については次の策は考えていました。

 (次の策について問われて)それは真似をする人が出てきたら困るので言いません。

ウィキリークスについてどうお考えですか また公開していい機密情報と公開してはいけない機密情報の境目はどこにあると思われていますか

一色 ウィキリークスと比べていただくのはありがたいのですがちょっと私とは趣旨というか主義が違うと思います。私も表面上しか知らないのですがウィキリークスはすべての秘密を明らかにせよという主張だと受け止めています。私は政府の側で働いていましたから隠さなければならない機密があるということは理解しています。

 その境目については非常に難しいと思います。ただ今回の件はボーダーラインをはるかに超えていたと私が勝手に判断しました。

尖閣海域以外にも領土問題は発生していますがそういった海域の警備につかれた経験があれば教えてください。また日本の国境警備や領土問題のあり方についてどうお考えですか

一色 そういう警備の経験はあります。

 それについては先ほども申しましたが海上保安庁の中でもいろいろな意見はあり私は一貫して現場の人間なので現場の意見しか言えません。国を守るというごく当たり前のことなのですが現実は上の方の命令が右往左往することがやっぱり多々ありました。ただ現場としてはそれを忠実に守って余計なことを考えずにやってきました。むしろ今普通の一般の国民に戻った方がいろいろ考えられると思っています。

● 英雄と言われるのは間違っている

 最後に英雄である命をかけて国のためにされたと賞賛した質問者の言葉に英雄と言われるのはちょっと間違っている。命をかけてと言われたが私も命は惜しいと答えた一色氏。

 これは先ほどの二二六事件のクーデターという意見の対極の意見だと思います。むしろ当たり前のことと受け止められるように日本がなっていけばいいと思います。恐らく昔は日本人というのはそういう考え方をしていたはずなのですがこれが最近失われているということをちょっと心配していますと回答して会見を締めくくった。

平成二十三年二月十五日午前十時五十三分

平成の二二六事件 一色正春氏が語る尖閣ビデオ事件の真相

日本の病巣
世界の病巣
露西亞平原 本日モ侵略止マス
支那大陸 本日モ反省ノ色無シ
朝鮮半島 本日モ波高シ
by unkotamezou | 2011-02-15 10:53 | 國防 軍事