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日本のカレーライスは幸せの味

 「日本のカレーライスは幸せの味がしますね」。上海市内の日本総領事公邸でこのほど開かれた「日本観光食品フェアー」のハウス食品カレー試食ブースで浴衣姿の陸依柳さん(22)は、こういって笑顔をみせた。

 陸さんは上海にある交通大学で日本語を専攻する4年生だが、優しい主婦が夫や子供にカレーライスを作る日本のテレビドラマで見たシーンに「幸せ」を感じて、自分でもカレーライスを作って食べるようになったという。

 このフェアは、上海の日本総領事館や日本政府観光局などが、日本の観光地や食品を支那に紹介する目的で開き、日系企業や地方自治体など40のブースが出店した。陸さんのような日本語を学ぶ学生や地元の中高生、旅行業者など1千人近くを上海周辺から招き、口コミに期待して日本のよさを広めていく作戦だ。

 大阪城の桜の写真に見とれていた上海外国語大1年の来菲さん(20)は、「大阪に行ってみたい。たこやきやみそ汁が大好き。日本の牛乳がとても新鮮でびっくりした」と目を輝かせた。

◆安全美味健康

 富裕層や中間層が消費パワーを高めている上海など沿岸都市部では、安全でおいしく、健康にも良いというイメージを持つ日本の食品に関心が高まっている。背景には粉ミルクや冷凍ギョーザなど支那製食品の品質問題もあるようだ。

 お茶の本場、支那で不思議な現象に思えるのは、上海地区でサントリーが昨年4月に発売した「黒烏龍茶」の爆発的な売れ行きだ。このフェアで黒烏龍茶を配っていたサントリー上海食品貿易の福山泰広社長によると、出荷数量はすでに1千万本に達した。

 支那へのお茶の逆上陸で追い風になっているのは、日本発の「脂肪吸収を抑制する」という機能性だ。

 黒烏龍茶はコンビニエンスストアなどで350ミリリットルのペットボトル入りが1本80円前後。一般の清涼飲料が500ミリリットル入りで40円程度なのに比べると割高だが、日本での特定保健用食品指定を知っている若い女性などに人気が高い。すでに2月から北京で、今後は広東省広州でも発売する予定で、福山氏は「支那で2年目の出荷数量は初年度の2倍はかたい」とみる。

◆大卒初任給並み

 国民食とも言えるカレーライスなど日本の味に加え、芸術の域にも達する日本の懐石料理が上海に登場する。

 5月から開かれる上海万博にキッコーマンが出店する高級料亭紫。日本企業や自治体が共同出展する「日本産業館」内に設け、懐石料理は1人3万9千円のコースのみ。上海の大卒初任給に相当する金額で話題になっている。

 京都の「菊乃井」「魚三楼」「たん熊北店」という有名料亭3店から料理人が派遣される。上海で記者会見した菊乃井の村田吉弘代表兼総料理長は、「3店合わせると星がいわば6つという世界でも唯一の料亭の懐石料理を上海で味わってほしい」とアピールした。

 ミシュランの星は「菊乃井」本店が3つで、「魚三楼」が2つ。さらに「たん熊北店」が1つ。仲居さんになる上海の女子大生ら18人は研修の真っ最中だ。

 懐石料理の値段について日本産業館の総合プロデューサー、堺屋太一氏は「3万9千円が高いか安いかの問題ではなく、日本の最高の食文化を21世紀の支那に紹介することに価値がある」と話した。カレーから懐石料理まで、日本の「食」が13億人の胃袋に受け入れられる日も、そう遠くない。

平成22年4月6日(火)08:00

【上海摩天楼】日本の「食」13億の胃袋狙う カレー、お茶、懐石料理…
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by unkotamezou | 2010-04-06 08:00 | 歴史 傳統 文化