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世界一重い電子作製 京大 高温超電導に活用期待

 見かけの上で世界で一番重い電子を作ることに、京都大の宍戸寛明低温物質科学センター特任助教、松田祐司理学研究科教授らのグループが成功した。高温超電導体の作製などに役立つといい、米科学誌サイエンスで19日に発表する。

 電子は、周りの電子や磁気との相互作用で動きにくくなり、見かけ上の重さ(有効質量)が重くなる。自動車の排ガス浄化用触媒などに用いられているレアメタルの一つセリウムは、原子を構成する電子が特に重いことが知られている。

 松田教授らは、セリウム化合物の分子が二つ重なった層を、ほかの化合物で挟み込んだ結晶を作った。セリウム化合物の電子は、上下に移動できないため動きにくく有効質量が増す。真空中の電子に比べ千倍近い重さを達成した。これまで最も重いのは他のセリウム化合物の電子で約200倍だった。

 重い電子は物質内で揺らぎながら磁石のように働き、高温超電導に必要とされる特殊な磁気状態を作る。松田教授は「今回のセリウム化合物を使った高温超電導体を作りたい」としている。

平成22年2月19日9時29分

「世界一重い」電子作製 京大グループ 高温超電導に活用期待
by unkotamezou | 2010-02-19 09:29 | 自然 科學 技術