2009年 12月 30日
海外で脚光を浴び始めた日本製携帯電話
日本製の携帯電話が海外でヒットの兆しを見せ始めている。経済成長とともにケータイが急速に普及している中国を中心に、人気上昇中だ。平成10年代初め、日本メーカーは続々と海外参入を図ったが、国内で人気の源泉だった高機能が仇となり、撤退を余儀なくされた苦い過去がある。過去を乗り越え、海外開拓を目指した新たな挑戦が始まっている。 「液晶がきれい」。平成21年7月、中国・北京のホテルで開かれたシャープのケータイ新製品発表会。映画「レッド・クリフ」の主題歌を歌った人気歌手アランさんが壇上でシャープ製ケータイの魅力を語った。 シャープは平成20年夏に中国市場に初参入。日本でヒットした「アクオスケータイ」を持ち込んだ。4千元(約5万5千円)以上と高価格ながら同価格帯での販売ランキングで、11年3月から11月まで34週連続トップ2にランクインした。 人気の要因はその高機能だ。「亀山モデル」で中国でもブランド認知度が高い高精細な液晶を搭載。画面が90度回転し、横向きになる独自のスタイルも受けている。 ヒットの予感はあった。参入前からインターネット上では日本でシェア1位のシャープのケータイが話題になっていた。市場調査したところ、ケータイに興味がある層はネットを駆使する層と合致した。 中国ではネットから人気に火がつくことが多い。特に「アフター80世代」と呼ばれる、西暦1980年代以降に生まれた裕福なネット世代が人気を牽引する。「日本で人気の商品を早く知りたいという傾向が強い」(シャープ)。市場は“日本標準”を欲していると読んだ。 「iモード」をはじめとしたネットサービス、高精細なカメラ…。日本のケータイは「世界の先端を走ってきた」とは、業界の共通認識だ。しかし、世界市場では、通話とショートメールのみの低価格機種が主流。日本製ケータイは異端の存在だった。 だが、今後は中国などアジア地域でも大容量のデータをやりとりできる「第3世代」の通信方式が始まる。携帯電話の普及が一巡すれば、次に求められるのは「機能」であり、これが日本製にスポットが当たり始めた背景だ。 「徹底的に最先端、高品質にこだわったことを中国の消費者にお伝えする」。昨年7月の北京での発表会で、シャープの担当者は力を込めた。固有の動植物が生息する太平洋上の島になぞらえ「ガラパゴスケータイ」と揶揄されてきた日本のケータイ。島の外に生息の場を求め始めた。 平成21年12月30日13時3分 “ガラパゴス”から脱却? 海外で脚光を浴び始めた日本製ケータイ
by unkotamezou
| 2009-12-30 13:03
| 産業 經濟
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