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天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの一年のご動静
天皇陛下のご感想

一 しばらくの間は、日程を軽くするやうにとの医師の勧めに沿つて、今回は、記者会見を取りやめることになりました。私の健康について人々が心配してくれてゐることに感謝します。最近は、体調もひところに比べて、良くなつてきてゐるやうに感じてゐます。


二 今年は、日本に上陸した台風は一つもなく、天候に恵まれ、農作物もおほむね良い収穫が得られたことは喜ばしいことでした。それでも、全国各地で局地的な大雨が発生し、また、六月には岩手宮城内陸地震が、七月には岩手県北部を震源とする地震が発生しました。これらの災害で、死者や住宅の損壊などの被害が生じたことは痛ましいことでした。岩手宮城内陸地震の被災者が、冬を迎へて仮設住宅住まひを余儀なくされてゐることを案じてゐます。

 また、河川や下水道の急激な増水によつて多くの人命が失はれたことも、痛ましいことでした。


三 今年は、北京でオリンピック競技大会とパラリンピック競技大会が開催されましたが、それぞれの大会での日本選手の活躍振りは、心に残つてをります。
 また、南部陽一郎博士、小林誠博士、益川敏英博士の三名の方がノーベル物理学賞を、下村脩博士がノーベル化学賞を受賞したことも、喜ばしいことでした。
 どちらも、多くの人々に明るい気持ちと励ましを与へたことと思ひます。
 四年前に新潟県中越地震の被災地を訪れた際には、ヘリコプターで上空から視察することしかできなかつた旧山古志村を九月に訪れましたが、復興が進み、闘牛や錦鯉の養殖などが再開されてゐることを心強く思ひました。


四 昨今、私や家族の健康のことで、国民に心配をかけてゐることを心苦しく思ひます。私も、健康に問題がないとは言へませんが、医師の注意を守り、これからも国と国民のため、また、より良き皇室の姿を求めて務めていきたいと考へてゐます。皇太子妃が病気の今、家族が皆で、支へていくのは当然のことです。私も、皇后も、将来重い立場に立つ皇太子、皇太子妃の健康を願ひつつ、二人の力になつていきたいと願つてゐます。


五 世界的な金融危機に端を発して、現在多くの国々が深刻な経済危機に直面してをり、我が国においても、経済の悪化に伴ひ多くの国民が困難な状況に置かれてゐることを案じてゐます。働きたい人々が働く機会を持ち得ないといふ事態に心が痛みます。
 これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し、また、互ひに絆を大切にして助け合ふことにより、皆で、この度の困難を乗り越えることを切に願つてゐます。



この一年のご動静

 陛下はこの一年も国事行為としてほぼ毎週二回のご執務を行はれ、内閣よりの上奏書類等千七十四件にご署名やご押印をされました。宮殿では、その外、親任式(内閣総理大臣、最高裁判所長官の二名)、認証官任命式(国務大臣始め百三十六名)、信任状捧呈式(三十七名)、勲章親授式(大綬章、文化勲章)及び勲章受章者の拝謁等多くの儀式や行事に臨まれました。また、各省事務次官、日銀総裁などのご進講も受けられました。また、皇后陛下とご一緒に各界優績者の拝謁のほか、午餐や茶会など多くの行事に臨まれました。なほ、両陛下のご成婚を記念して発足した日本青年海外派遣事業は今年で五十回を迎へ、今回九月の帰国隊員のご接見が最終回となりました。また、今年は北京にてオリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会が行はれたため、それぞれの入賞者をお茶に招かれ、健闘をたたへられました。御所では両陛下で恒例の日本学士院会員、日本芸術院会員、文部科学省研究振興局長及び同伴する研究者、青年海外協力隊及びシニア海外ボランティア帰国隊員、国際交流基金賞受賞者等とお会ひになつたほか、定例の外務省総合外交政策局長によるご進講や各種行事に関するご説明等が合はせて三十回ありました。この外、勤労奉仕団、賢所奉仕団や新嘗祭のための献穀者に対し五十二回のご会釈がありました。

 今年は外国へのご訪問はありませんでしたが、外国からは、五月に中華人民共和国主席閣下及び同令夫人を、十一月にはスペイン国王王妃両陛下を国賓として迎へられ、宮中晩餐を催されました。スペイン国王王妃両陛下を国賓としてお迎へになるに当たり、一日、茨城県筑波市をご案内になり、宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター及び筑波大学等をご訪問になりました。また同日、御所でのご夕餐にお招きになつていらつしやいます。スペイン国王王妃両陛下はご即位前に一回、ご即位後に今回を含め二回、公式に日本を訪問され、その都度両陛下にお会ひになつていらつしやいます。一方、両陛下はご即位前に二回(うち一回はご名代)、ご即位後に一回、公式にスペインをご訪問になつてをり、国王王妃両陛下の歓迎をお受けになりました。その外、公式実務訪問で来日した、クロアチア、ペルー、カザフスタン各国大統領及びトルコ大統領夫妻のため午餐を催され、また、韓国大統領夫妻とご会見になりました。また、五月には第四回アフリカ開発会議開催に際し、同会議に出席した各国首脳夫妻等を宮中茶会にお招きになつてをり、また、この機会に新設され、今回が第一回目となる野口英世アフリカ賞授賞式及びそれに続く記念晩餐会にもご臨席になりました。また、九月には第七回G八下院議長会議開催に際し、同会議に出席した議長等を宮中茶会にお招きになりました。

 都内及び近郊へのお出ましとしては、陛下は国会開会式に臨まれ、また、両陛下にて全国戦没者追悼式を始め、毎年ご臨席になつてゐる日本国際賞、国際生物学賞、日本芸術院賞、日本学士院賞等の授賞式のほか、今年も数多く行はれた各種周年記念式典等へのご臨席があり、そのうち十一回にてお言葉をお述べになりました。今年は五月のこどもの日にちなみ、幼児教育施設の制度として新たに発足した「認定こども園」である「いういうのもり幼保園」をご訪問になつたほか、九月の敬老の日にちなみ、高齢者が仕事に従事してゐる「三鷹市シルバー人材センター」へ、十二月の障害者週間にちなみ、障害者専用のスポーツ施設「東京都障害者総合スポーツセンター」をご訪問になり、困難な環境にあつて、社会活動に努めてゐる人々を励まされました。また、七月には産業施設のご視察として、リサイクル事業を行つてゐる東京都スーパーエコタウンの事業会社をご訪問になり、環境保護に対するご関心を示されました。都内及び近郊へのお出ましは合計四十九回ありました。

 例年ご臨席になつてゐる日本学術会議主催の国際会議としては、第五回世界水産学会議記念式典にてお言葉を述べられるとともに、その後のレセプションにご臨席になりました。

 今年の公的な地方行幸啓は八府県(群馬、神奈川、秋田、新潟、大分、奈良、京都、茨城)にわたりました。全国植樹祭(秋田)、全国豊かな海づくり大会(新潟)、国民体育大会(大分)などの式典にご臨席になり、お言葉をお述べになつたほか、地方の文化、福祉、産業の事情をご視察になりました。今年は日本ブラジル交流年・日本人ブラジル移住百周年に当たることから、その記念式典及びレセプションにご臨席になつたほか、日系ブラジル人が多数在住する群馬県の大泉町と太田市をご訪問になりました。新潟県では平成十六年の中越地震の際、現地をお見舞ひにご訪問された折、道路が分断されたためヘリコプターで上空からしかご覧になれなかつた旧山古志村を訪問され、被災した棚田の復興状況及び錦鯉の養殖や闘牛の練習が再開した様子をご覧になり心強く思はれました。また、奈良、京都への行幸啓では奈良国立博物館にて第六十回正倉院展をご覧になり、京都では源氏物語千年紀記念式典にご臨席になりました。また、その機会に、皇后陛下ご下賜の小石丸の絹糸で正倉院宝物を復元した川島織物セルコンをご訪問になりました。また、奈良では春日大社を、京都では七百年式年に当たる後二條天皇の御陵を御参拝になりました。この一年間に公的に地方行幸啓先でご訪問になつた市町村数は十三市、四町になります。

 今年は那須の御用邸には紅葉の季節の十月下旬にお出ましになりましたが、両陛下で例年どほり農家を訪問され、ご放鳥をなさいました。また、本年環境省に移管された旧那須御用邸用地を、環境省那須自然保護官等とご散策になりブナ林やそこに付けられてゐる熊の爪跡等をご覧になり、これから国立公園として整備され、人々が訪れるのを楽しみにしていらつしやいます。

 宮中祭祀は、三月二十五日に賢所皇霊殿神殿を本殿に奉遷の儀が行はれ、賢所等耐震補強改修工事の間、仮殿で行はれてゐた祭典はもとの宮中三殿に戻されました。陛下は恒例の祭典のほか、花山天皇千年式年祭、孝昭天皇二千四百年式年祭、後二條天皇七百年式年祭などこの一年に執り行はれた三十四回の祭典に列せられました。なほ、本年末の御不例にあたつてしばらくの間、御拝礼をお取りやめになり御代拝になさつてゐます。

 ご研究に関しては、以前からご関心をお持ちになつてゐたキヌバリとチャガラと云ふ二種のハゼ類のご研究をこの度まとめられ、本年十二月三十一日発行予定のオランダ学術雑誌 "GENE" でご発表になります。これは秋篠宮殿下を始め専門研究者との共著で英文論文です。

 なほ、本年六月、皇居におけるタヌキに関する論文を国立科学博物館研究報告A類(動物学)に共著でご発表になりましたが、今後もこの調査を続けていらつしやいます。

 陛下は今年も例年どほり、皇居内生物学研究所の田で種籾のお手まき、お田植ゑをなさり、お手刈りをなさいました。また、粟はお子様方、お孫様方とご一緒に種をまかれ、刈り取られ、新嘗祭の折、お手刈りになつた水稲と共にその一部をお供へになりました。また、神嘗祭に際しては、お手植えになつた根付きの稲を神宮にお供へになりました。

 陛下は一月の定期検診において、前立腺がんの再発に対するご治療としてお続けいただいてゐるホルモン療法の副作用として骨密度の低下傾向が明らかとなり、このため骨粗鬆症に至らぬやう、引き続き早朝にはご散策になり、ご公務のない週末や休日にはテニスなどのご運動に努めていらつしやいます。また、十一月半ば以降、胸部にご変調をお感じになり、不整脈によるものと診断されました。さらに十二月初めには血圧上昇を伴ふやうになり、急遽ご休養とご検査のためご日程を数日間お取りやめいただきました。検査の結果、不整脈は「上室性不整脈」であることが分かつたのに加へ、胃や十二指腸にびらんや出血斑が確認され「急性胃粘膜病変」があつたのではないかと診断されました。いづれも心因性、身体的ストレスが原因ではないかとみられてゐます。

 天皇陛下は十二月二十三日、七十五歳のお誕生日をお迎へになります。

 当日は、午前は御所で侍従職職員から祝賀をお受けになつた後、宮殿で皇族方を始めとし、五回にわたり祝賀をお受けになり、また皇族方とお祝酒をともにされます。なほ、この間三回にわたり長和殿ベランダに立たれ国民の参賀におこたへになります。午後は三権の長、閣僚、各界の代表等との宴会に臨まれ、その後、元側近奉仕者等との祝賀、次いで外交団を招かれての祝賀をお受けになります。夕刻には、皇后様、お子様方とのお祝御膳ををとりになります。

天皇陛下のお誕生日に際してのご感想とこの一年のご動静
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by unkotamezou | 2008-12-23 00:00 | 皇室